10/11(金)、GRAPES北参道「GRAPES KITASANDO presents Goosebumps Night!!」。RICKY(SILVERTREE)さん・佐野ちかさん・Ryo Yoshinagaさん・高橋遼さん。演奏形態も様々な女性・男性アーティスト4組の競演です。"goosebumps"とは『鳥肌』という意味でまさに鳥肌モノの夜となりました。
今日のRyoさんのGRAPES出演は割と最近決まったそうで、ライブ間隔が開いている中、嬉しいタイミングとなりました。ちょうど仕事も朝早かったけど早く終わらすことができ、眠いは眠いけどワクワクが上回りました。台風19号が関東に接近しつつあり妙なソワソワも混じってなんとも言えない日です。ぜひ素敵な音楽を聴いて落ち着きたい。しかしGRAPESのスタインウェイの鎮座、いつも心を鎮(しず)めてくれる佇まい(たたずまい)です。
<RICKYさん>先日9/26のGRAPESで拝見した安倍みなみさんの弟で自らもバンド「SILVERTREE」でVo.Gt.をやりつつ安倍みなみさんとの姉弟コンビでユニットも組むGt.弾き語り。オトコくささを前面に出したパワー系のボーカルが特徴。声はハリがあってめちゃくちゃいいです。畳みかける曲やエレジーっぽい曲、バラードも歌いこなしギターテクもあってレベルの高いアーティストです。先日の安倍さんのバックGt.もよかったが弾き語りもとてもよかった。姉弟揃ってスゴい歌唱力!
<佐野ちかさん>6/21GRAPESでステージを1度拝見して今日が2度目のPf.またはGt.弾き語り。ピアノもギターもこなす二刀流のアーティスト。セットリストは有識者からお借りします。
①good morning (Pf.)
②イデオロギー (Pf.)
③秋風の午後 (Pf.)
④さよならララバイ (Gt.)
⑤君の街 (Gt.)
⑥ロビンソン(Spitzカバー) (Gt.)
⑦Tomorrow is another day (Pf.)
しなやかで伸びのある澄んだ声が特徴。前半3曲はピアノで弾き語り。声の特質を活かした日常を切り取ったような心の裏側を描写したような歌詞。
「good morning」は朝、井の頭線に乗って(渋谷から吉祥寺まで)君に会いに行く、弾むような感情を、荒ぶることなく静かに歌う。
「イデオロギー」は抒情的に歌うマイナー系の曲。
「秋風の午後」この季節に相応しい秋を彩る歌詞。風で落ち葉が舞う。さっき言った言葉はもう何か違ってる、今日は誰も、明日は何を信じて歩こうか 明日はどこで愛されて生きるのか(聞き書き)秋の景色漂うメランコリックな曲。
ギターに持ち替え、「さよならララバイ」は綺麗な声がより素敵なバラード。「君の街」はタタンタ、タタンタというリズムを刻むギターに乗せ、何度も通った君の住む街の坂、赤い屋根、季節・風。そんな”君”が住んでいる街の光景が目に浮かぶ歌詞。大事なあの場所を歌います。
佐野さんはSpitzの大ファンだそうで、名曲「ロビンソン」をギターでカバー。草野マサムネさんの声は高いので佐野さんのキーにもマッチします。とても綺麗に歌っておりました。自分もリアル世代なので一緒に口ずさんでおりました。
佐野さん最後はPf.に戻り ”明日は明日の風が吹く”の意味の「Tomorrow is another day」。こちらも澄んだ声のバラード。 ”今日は世界が僕をいらないと言っても 鍵をかけても 明日は世界が僕をそっと静かに許すかもしれない Tomorrow is another day” 心に重荷を背負っていてもそれを人生の筋書きの1つと呼べるような、きっと明日は違う明日なのだろうと言った歌詞だと思います(聞き書き)。
<Ryo Yoshinagaさん>Ryoさんは9/26GRAPESに引き続いての弾き語り。今まではあまり弾き語りをしなかったRyoさん、前回は隠し玉を披露するかのごとく素晴らしい弾き語りのステージでした。今回も超期待です。
①だから今夜も誰かが歌う
②SEA
③スターチス
④星になる
⑤Melt
今日のセットリスト、自分が予想したのとはMeltぐらいしか当たりませんでした(SEA・星になるは次点)。ゆっくりお洒落に流れる前奏から静かに始まる「だから今夜も誰かが歌う」は明るい基調でこの日の演奏全体を元気づけてくれる曲。今日のアレンジは前奏からのイメージのまま、GRAPESの鍵盤を噛みしめるようにお洒落感が続きます。サポートを付けた状態でしか聴いたことがなかったので大変貴重でした。16分音符で跳ねるスキップ感を出すのが今までのライブでしたが、今日は弾きながら歌にも注力する必要があるため、ステップを8分にしての演奏。そのぶんRyoさんの元気なボーカルが突き抜け、この曲を意味づけます。
”ひと言それだけで変わる いつもの君が特別な人
思いの丈流行歌に乗せたら… 落ちてゆくそれを恋と呼ぶ
鮮やかな夜空 見上げれば今夜 思い浮かぶ君の顔 柄にもなく”
このCメロ~サビの部分は囁くように気持ちを込めてゆっくりと。こんな風に弾き語りのメリットを存分に活かした演奏でした。MCでは台風への怖さやソワソワ感について。それでもそんな不安を少しでも和らげられれば、と。
2曲目「SEA」を持ってきました。SEAは昨年末からライブだけで歌われてきた新作。初披露のライブは行かれなかったので、後の本人のインスタに上がった動画を拝見するに、この曲の深みとか歌詞に大きくハマりました。この『深み』という表現がぴったり当てはまる曲だと思います。ゆっくりとしたバラード、淡々と弾く4分音符が深海からじわりじわりと浮かんでは沈むように。
”だから名前を呼んで 好きだとか愛してるは もうどうだっていい
言い表せないこの思いが いつまでも続くように”
溢れる愛を語るには言葉は関係ない、必要ないと説きます。
”あなたを信じる私を信じること もう海では迷わない” ここのところのパワーはいつ聴いても凄い!荒波が急にグワーッと来ますね。歌唱・演奏は緩急・強弱。潮の満ち引き。寄せては返すその繰り返しが曲になって現れます。SEAと聴いてヤッタと思いました。好きすぎる曲をセットに入れてくれて感激です。
「スターチス」アルバム『Viilea』の最後を飾る名作。こちらもゆっくりとした基調から柔らかく遠くに届けるように歌い、肝心なところではRyoさんのスーパーボイスが炸裂する。抑揚がRyoさんの音楽のスタイル。何度もこのブログでは紹介しますがスターチスの花言葉は『永遠に変わらない思い』。通り過ぎた過去を思い浮かべ温めながら、次の長い人生を歩んでいこう、そんな風に聞き取れます。人間の人生、似たように歩んでいても音楽家のそれは一般人とまた違った深い刻みかたです。しかも音楽という形でその時思った感情を記録できる。真の音楽家像をこの曲に感じます。『心の内面・感情の記録』=その描写能力が素晴らしいです。きっとこれからも素晴らしい音楽人生を送ってくれることでしょう。この曲すごく好きなのでシンクロして口ずさんでおりました。長い長いこの道は。。。深淵なる。ぐっとくる。
”無意識の呼吸だって当り前じゃない必然の世界
俯いた(うつむいた)あの日だって私が選んだ必然の世界”
「星になる」セカンドアルバム『Loistaa』よりmaj7thコードのお洒落な刻みから始まる、夜の星空を眺めながら聴くのがピッタリの曲。前奏は音源同様に細かく刻むスキップから。歌に入るときはボーカルに注力できるように長めの音符を使って弾きます。この弾き語りアレンジはボーカルの特色を最大限活かした最高のアレンジだと思います。
サビに入る ”星になって=ほーしーにーなーあ~っ~て~” は Ryoさんのボーカルの魅力がよくわかる音階のステップアップ(ほ⇒し⇒に⇒な⇒あって~)に連携したパワー注入。
ここに自分もコブシを握り力が入ります。もはやシンクロを超越。原曲のお洒落感とは違うパワー系の 星になる。弾き語りバージョンの醍醐味でしょう。
「Melt」。短い時間でしたがRyoさんの出番は最後です。Meltは配信ミニアルバム『Rakastua』より。Ryoさんの歌唱力が如何なく発揮された曲を、普段とはまた違った弾き語りバージョンで。自分の演奏で自由なテンポで歌う弾き語りの姿はとても素敵です。前半は流れるように4分音符刻みで歌い、重要なポイントではタメを作って、いきなり炸裂させたり。ピアノを弾きながらでもRyoさんの声はまったく影響なく。『弾き語りは今年最後かも』なんて言っていた9/26が何だったのかというくらい今日の演奏もRyoさんの魅力たっぷり。素晴らしかったです。
<高橋遼さん>Pf.もGt.もこなす、万能シンガーソングライター。今日はDr. のサポートを受けツーピースでの熱唱です。打楽器をバックにピアノを弾きながら歌う姿はとてもカコよく、繰り出す音楽も都会的なお洒落かつ男性らしい色もあり聴き応えがあった。Gt.に持ち替えてレゲェ調に歌う曲も、婦人服のコーナーや紳士服コーナーで試着、コーディネートをして着飾っても裸の王様だよ、という「裸の王様」。4capoした結果、オープンGという変則チューニングで弾く曲もあったり、ピアノでじっくり聴かせる欲情を表現した歌「未完成」も印象が強かった。 ”世界中が完成されていたとしても僕は捨てきれない 二人を包む鬼門のパズル” 最後の曲も威勢よくイェー!
今日のRyoさん、ますます魅力的なステージでした。佐野さんとも初めてご挨拶できました。天気は雨が降り始めましたけど、何とか持ちました。本格的なのは翌日ですけどそんな不安はどこかに消えてしまったかのように楽しく素敵な夜でした。弾き語り2連チャン、素晴らしいRyoさんの演奏と歌でした。今日初めて弾き語りで披露する曲もあり、この日のために相当な練習を積んだんだろうと想像すると涙が止まらない。。。前にも言いましたけど、弾き語りと普段のサポート付き、どちらが良い悪いではなく、次元の違いを感じます。弾き語りのアレンジと独特のスロー感・サポートアーティストの見事な演奏とボーカルに専念したRyoさんの爆発力、両方ともすごく大事な Ryoさんのステージであるし、元々の楽曲と歌詞が素晴らしく、自分の好みに合っているのでどちらの形態でも幸福を満喫できる、そんなRyoさんの音楽。これからも1つ1つのステージを心から応援したいと思います。いい音楽をありがとう!
<Ryo Yoshinagaさん今後のライブスケジュール>
●2019/10/19(土)『目黒ゴスペル祭2019』目黒区民センターホール
・ボイリミ(Voice with Unlimited tone):ゲスト出演
出演時間予定:16:00~16:15
https://www.voilimi.info/
https://www.instagram.com/unlimitedtonews/
http://www.happy-music.jp/meguro/
●2019/10/26(土)北参道GRAPES
Op11:30/St12:00 (Lunch Live)
I'sCUBE/宮崎薫/高橋遼/Ryo Yoshinaga(12:00~) Pf.ハナブサユウキ
●2019/10/27(日)coming soon...
●2019/11/27(水)19:00~
東京駅八重洲口グランルーフ2F ペデストリアンデッキ「東京エキマチライブ」
小林未季/みづうみ/Ryo Yoshinaga ライブナビゲーター:新宮志歩
●2019/12/13(金)coming soon...
●2019/12/24(火)自由が丘hyphen「HARUNA×Ryo Yoshinaga CHRISTMAS LIVE」
Op19:00/St19:30 Key.ハナブサユウキ/Perc.豊田稔
10/1(火) より予約開始 https://tiget.net/events/70358 ※整理番号順の入場になります※
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