12/9(木)東新宿 真昼の月 夜の太陽「夜のパレード」。榎並はなさん(O.A.)・西山小雨さん・加藤伎乃さん・今井里歩さん。今井さん2021年ラストの真昼の月ライブです。
2021年はコロナ禍を見極めながらのリアルライブ出演だった各アーティスト。今井さんの真昼出演も2月の無観客から始まり、リアルでは3月から注意しながらスタートし、ほぼ月1回の出演を果たしました。前半と比べて今はましなほうです。人数制限、開演・閉店時刻繰り上げなど苦難の連続だったと思います。
今日の真昼。オープニングアクト(O.A.)はAg.弾き語りの榎並はなさん。カッティングがアグレッシブなギターを弾きつつ、歌い方もブラックな感じで太めでハリのあるボーカルで、なかなか良かったです。出番後にちょっと話すことができ、やはりブラックミュージックが大好きみたいです。10月の真昼出演(自分は遅れた)では東京第1回目のライブ出演だったようで、今後も東京で頑張ってほしいものです。
1番手は西山小雨さん。ウクレレ弾き語りの後、Pf.弾き語り。以前.comfortで聴いたことがあります。ふわふわとした自然体の雰囲気でゆるやかな流れで歌う。そんな空気感を味方につけていて、聴き手を引き込んでいく力を持ちます。Pf.はとても素晴らしく名手という感じ。色んな曲調やコードを挟み込んで高度なテクニックを見せます。「つぶれたあんぱん」のようなコミカルな曲や映画の主題歌に採用された「未来へ」という歌もすごかった。
2番手は加藤伎乃さん。Ag.弾き語りでこちらもアグレッシブ。シブさを放つピッキングや指使いで とにかく切れ味のある音楽。ギターも鍛錬を積んでおりとても上手い。そんなシブい曲、場面が次々変わる曲ではカポを機敏にずらしたり、フィンガリングでは6弦をスラップベースのようにハジくように弾いてビートを強める。 ”シブヤ~やば~い~” と社会を風刺するような歌もあったり。ピックから指に変えるときピックをパッと落とす(何枚落とした)?
3番手、トリは今井里歩さん。Pf.弾き語り。11/28は中目黒でコーラスグループ「オルタンシア」の初ライブがあり、5人のコーラス隊の皆さんが拍手喝采の嵐でした。そこから一区切り、それぞれが普段の活動に戻りつつも、結構いそがしそうな今井さん。ライブ告知も当日のみでした。そんな中、真昼には多くのお客さんが席を埋めました。
①新しいキセツ-ミチ-
②キンセンカ
③白い月の裏側
④I.L.U
⑤tint
⑥good day
「新しいキセツ-ミチ-」はいつも四季の変化に合わせてセットに取り上げられる曲。先ほどの加藤伎乃さんのゴリゴリのアコギとは対比したサウンド。どちらが良いとかそうでないとかではなく、それぞれが自分の持ち味で歌います。 ”新しいキセツが来て 隣にはあなたが居て 他には何もいらない このミチを信じている” あなたというのは人生=ミチノリ、我が道を信じる、という決意とも取れる柔らかな歌声とメッセージ性が強い曲なのでしょう。
「キンセンカ」久しぶりにセットに取り上げてくれた、和の音階の前半、透明感のあるサビ、力あるCメロが連なる曲。色々な調に転調します。歌詞は読み取りが難しく(今井さんは聴き手の自由とおっしゃる)、”禁断の愛” ともとれる気持ちの高まりと落ち着きが混沌とした、何度聴いても難読な曲です。楽曲が良いので大好きなのですが。
「白い月の裏側」”真昼の月 夜の太陽”というライブの箱の名前にちなみ、このライブハウスでは月に纏わる歌としてよくセットに入ります。C調からドラスティックにAに変わっていく転調が印象的で、和音の響きも相当聴かせている、夜が似合うお洒落な6/8拍子です。3.11の事を綴ったテーマということで、さらって行った命の尊さ、去りゆく人たちへの鎮魂の祈りが歌に込められています。
「I.L.U(イル)」今井さんが実家時代一緒に暮らしていた愛犬「ルフィ」が昨年旅立ったときの悲しみと、一緒にいた思い出、過ごした時間、そして自分たちも誰かを置いて旅立つとき、見送った人たちの思いはこんな感じなんだろうと考え曲にしたためたもの。なかなか歌にはしづらいテーマだと思いますが、音楽家である今井さんだからこそ、音楽家らしく見送っていこう、心は我と共にあり、そんな気持ちで歌っているのでしょうか。やっぱりもらい泣きしそうです。
「tint」②③④とやや湿っぽくなったので、切り替える意味で今年2021年最新の今井さん渾身の1曲。切れ味のある言葉を連用し、曲の雰囲気を作ります。鍵盤はガガガと攻め立てるアグレッシブ。Aメロは16分音符、Bメロから6/8拍子に変化し、キーが落ちます。 ”午前4時の言葉 ムカつく胃の辺りにたまってゆく” ~ "46億年前の 旋律をまだ歌わせていてよ 塵みたいに漂ってたい いたい いたい いたいよ インスタントじみたこんな世界に 咀嚼さえも忘れて飲み下されるくらいなら" コロナ禍っていうんでしょうか。ぶつけようがない痛みを感じながらもがき苦しんでいる姿も見え隠れする。”明日にはきっと始まる未来~染めてみろよ~Ah” と含みを残しつつも強張った力を抜くように終わる。 今年の最新作「tint」。印象深い作品でした。
「good day」コメントも1曲ごとに長くなってきました。最後はいつも今井さんが最後に歌っている、今日の1日、何かいいことがあればその日は良い日なんですと、日々頑張っている人への救いの曲です。締めに癒されます。
En)ありがとう
「ありがとう」はアンコールでいつも恐縮気味に歌う短い曲。短い中でも今井さんの旋律の良さ、メッセージのわかりやすさ、何よりも今井さんの声の良さがピカイチ。締めの締めにこれを聴いて帰る、今日もありがとう、出会ってくれてありがとう、聴いてくれてありがとう、聴かせてくれてありがとう。繰り返してくると気持ちが洗われますね。
今日はO.A.入れてアーティストがGt.Pf.Gt.Pf.と交互で、4組とも歌・鍵盤・ギターそれぞれの技術が高く、音楽性もしっかりしていて良いライブでした。得るものが大きかった今日のライブ、そして真昼は今年はこれで見納め(かな?番狂わせなければ)来年も素敵なアーティストのライブ、非常に期待します。
今日は80回目の今井さんライブ観戦でした(配信除く。グループ・サポート含む)。いつもありがとう今井さん!次は12/19(日)のファンクラブ配信は参加しますが、12/24の水道橋wordsは配信になると思います。また来年もよろしくです。
2021年の今井さんのライブは序盤は延期・中止の連続と無観客配信、3月にようやく人数制限でリアルライブを実施。
2021年中盤も延期・中止が多く、7月に少しずつ再開、7~8月には石垣優さんのCho.サポがあり、昨年の森恵さん配信に匹敵する素晴らしいコーラスパフォーマンスでした(横浜ビルボードは凄かった)。早期にソールドで行けなかったが10月も石垣優さんのサポートで参加、なんと吉川忠英さんもGt.で参加するなんてすごい伝説じゃんと思ったものです。
また箱ライブも9月ぐらいから定期的に真昼やwordsに出演できるようになりました。10月のmiiyaも久しぶりで、そこで伝説のコラボも実現したし、そして2021年最大のイベントは「オルタンシア」の初ライブの成功です。
コロナ禍での色々な制限をかいくぐるようにリモートを軸に音楽活動を展開した今井さん。本業のボーカル講師もあり、ファンクラブの毎月の音楽配信もあり、大変な1年だったと思います。今も大変そうだし(年末行事に向けてですかね)体調に気を付けて、2022年を迎えてくれればと思います。
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