9/19(木)、四谷天窓.comfort「フォーマルハウトの光り」。櫻井花菜さん・今井里歩さん・津村友華さん・Vikiさん。秋の気配を感じる夜、ピアノ弾き語り4人のアーティストの競演でした。
この数か月間、月に数えるほどしかライブがない今井さん。多くて2回、3月~4月は多かったのですが、6月はゼロ本と、ライブ活動以外にウェイトを高めているので、こういう箱ライブのスケジュールは貴重な機会となります。
自分にとって、今井さんのライブをcomfortで聴くのは5月の山本佳祐さん『手持ち無沙汰』企画が最初で、あの時はピアノは山本さんが全部弾いたため、純粋に今井さんのcomfortのステージは初めてとなります。調べたら、それより前は2016/11/25なので(たぶん)、自分が本格的に聴く前のことです。
<櫻井花菜さん>
Pf.弾き語り。VMMS(ベリーメリーミュージックスクール)という音楽スクールでグランプリを受賞した経歴があるそうです。思春期の心の内面を描写する曲を中心に、MCなしでしっとりとした7曲。曲名は不明ですが、学校内でのイジメを題材にした曲、 ”誰も助けてくれない 助けてって本当に思っているのに言えない 給食の時間みんなで机合わせて先制だって近くにはいない 気づいていないふり 公開処刑だよ先生も” というショッキングな歌詞も。最後だけわかった曲名「リセットボタン」。 ”窓の外の夕方に雨がポツリと振り出し また明日も続く 今ここにリセットボタンがあるとしても それはあたしのこと変えてくれるの” 共感できる人はものすごく共感できる、そんな曲でした。
<今井里歩さん>
さあ、今井さんのcomfortでのピアノの初見です。
①手をつないで
②新しいキセツ-ミチ-
③アルイテユケル
④タイトル未定
⑤good day
⑥shine again
「手をつないで」いきなりオケが流れてアップテンポのナンバーから、オケに合わせてPf.が軽やかに流れます。バンドサウンドにクラップが自然に発生します。 ”最終地点なんて無い 手をつないだまま 僕らはどこまでゆけるか まだ知らないんだから ~ 君の名前は何? 好きなものは何? 叫びたい言葉は何? 何一つ知らないけれど 手をつないでいたいよ” なんか身に沁みます。
「新しいキセツ-ミチ-」冒頭のアップな曲から季節の変わり目に相応しい、時間を踏みしめるように季節を、君と歩み続けると誓う着実・前向きな曲。 "眠れない夜には夢食いのお化けが来るという その夢の中まで 助けに行くからね 大丈夫” ふわりとしつつも安心感がある雰囲気も好きだなぁ。
「アルイテユケル」もはや試奏の和音でこれから演奏する曲がわかったような。ライブのタイトル『フォーマルハウトの光り』に関連付け、星と地球、星が照らし、地球でそれを見る人がいて初めて輝く星は意味を持つ。⇒ ”君が照らして 僕が照らして きっとアルイテユケル” 歌うことの喜び、聴いてくれる人へのリスペクトを感じる名曲です。
「タイトル未定」先日のWordsでも歌われた、『タイトルが決められないんですよねぇ~』と今井さんが思考中の曲。中身はそれがサビに入るまでの導入は複雑な進行が絡み合った曲調、サビに入るとガラッと変わって力強いメロディに。 ”乾いた大地から大空を目指して” 根拠はないのですが、学校の課題の合唱曲のようなA・B・Cメロ、そしてサビと1つ1つ克服するハードルを感じます。今井さんもボーカル講師なので、自分の授業でこの曲を生徒さんに歌わせて、発表会で披露したらサマになるなぁ~!と思います。
「good day」今日は1日、評価するとしたらどんな日でしょうか~~?と今井さんから客席に恒例の質問。辛い1日だったとしても、その中でほんの少しでもいいことが見つけられたら、そのことは大事にしていきましょう、とタフな現実を和らげてくれる温かい歌声と歌詞・メロディにいつも癒されます。 ”good day good day good day~~の伸ばすところ、何かを問いかける(goodだったのか?)ように浮遊した歌いまわしです。
「shine again」今日はgood dayが最後ではありませんでした。アンコール以外では極めて珍しい。アップテンポで攻め立てる、今井さんのセットではあまり経験のないチョイスです。この曲はお客さんから歌詞を少しずつ募集して今井さんが1つの歌詞として繋げ、それを曲にして完成させたという、演者と観客、両参加型の企画で作られた曲。思い返してみれば2017/7のワンマンライブで、仮歌までできていたのを客席の前でプロデューサーの加茂フミヨシさん率いるバンドの皆さんで曲に仕上げその場で披露したという、まさに照らし照らされの関係で作り上げられた曲です。仕事・生活を含めた人生、 ”決められた枠にカテゴライズされ、勝手な賞味期限を背負わされて” それを打ち破って再び輝こう!という前向きの曲は今井さんご自身も含め我々の力にもなります。今日は最初と最後のアップな曲が 中盤のしっとりした曲を挟み込んだ、あまり例をみないセットリストとなりました。こういうのもいいですね!
<津村友華さん>
キャバリーノでステージを拝見したことのある、実力派Pf.弾き語りアーティスト。以前はガールズバンドのキーボードを担当していたということもあり、キャリアも豊富、ステージ捌きは堂々としています。出だしのインスト曲はcomfortのグランドピアノの利点をフルに活かした鍵盤の響き。鍵盤の鳴りが違う。ライブのタイトル名、フォーマルハウトにちなみ、「パラレル」という夜の星空をイメージして歌われた曲では、 ”ちりばめられた星空 朝になれば消えてしまうパラレル。 消えてしまうのは僕と君の関係、変わらないパラレル。距離が縮まらないパラレル(平行)な心の行く先を切なく歌います。間奏のPf.の強さが凄い。Jazzっぽく都会の夜を席巻するような「東京」、タオルを振り回しハンドマイクで歌う「Catch a wave」、路上で道行く人に対して声を届ける「届けたいキセキ」など、迫力満点のステージでした。
<Vikiさん>
優しそうなお人柄の鍵盤SSW。愛知県出身でメジャーデビューもしているそうです。素直で実直なボーカルがいい味出しています。「ある夏の終わりに」「君のこと」「あなたの手のひら」「ちがうよ」「Always」など。あとは曲名を仰っていなくてわからなかったのですが、柔らかい声と鍵盤、情景と心理描写が鋭い歌詞。「ちがうよ」 ”間違っていると君は責めた よくないことだと君は言った 大好きな君が僕を責めた ちがうよ ちがうよ 君は誤解しているよ ちがうよ ちがうよ 僕は君が好きなのに” このような趣旨。この次のライブが3月ということで半年に一度の機会に巡り合えたというのは大変貴重だったと思います。ライブ後に一言話すことができたのですが、雰囲気がほんわりしていて気持ちがよかった印象です。
今井さんには物販席でタイトル未定の新曲、どうやって決めるかなんて色んな意見をしてみたり。こういうので夢を膨らませるのもいいですね。いっそタイトル未定のままということもあり得ますね。勿忘草・I'll meet youやその他SNSで上げた小品など、色々次の音源についての構想が見えつつあり、超期待の今井さんです。
<今井さん今後のライブスケジュール>
●2019/10/3(木)東新宿・真昼の月夜の太陽
「真昼の青い月」
Op18:20/St18:50
STRAYnote/山城優平/柘植向日子/今井里歩(20:35~)/ジャンたなかヘヴン∞リエ
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