12/19(水)、市ヶ谷Tangram「リュトングラスに恋してる~Cristal Candle Night~」。小松原沙織によるワンマンライブでした。9/7に続いて2回目のこのブックバーによるソロライブです。
市ヶ谷Tangramは市ヶ谷駅から靖国通りを歩いて5分ほど。前回は川向うに出てしまって遠まわりになってしまったので、今回は土地勘も付いたし、あらかじめ地下鉄の出口番号も調べたのでパッと着きました。お店は本だけでなくお酒もこだわりを持った仕入れをしています。
来店2度目でも、あの時以来ご無沙汰なので受け入れられるだろうか?そんなことは杞憂でした。マスターはまたもフランクに対応してくださいました。自分はこういった者だと告げたらすぐに「あーあのブログの!」わかってくれたようで嬉しい。今日は前回も客席に座っていた常連の中国人大学生(広州出身)のお客さんも。またお会いできるとは思っていませんでした。そろそろ故郷へ帰るということで、日本からの土産は何にしたらいいか、など。
やはり今回も小松原さん本人は外に出て集中力を高めている最中。マスターは私相手に本の話を盛んにしてくださいました。手塚作品については、コマ割りや場面が大きく変化することへの展開のこだわり、漫画はやはり紙がいい。スキャナ取り込みだと2ページ見開きなどはページが分割して魅力が半減しまう、とか鉄腕アトムは悲しい内容が多いとか。本好きのお子さんにはこんなのがいいですよ、と「はてしない物語」(ミヒャエル・エンデ)を紹介。現実の世界と夢の世界の文字の色を変えて世界観の場面変化を表現しています。物語が進むにつれて文字の色が今までと異なる色に変化(つまり現実と夢の世界が混同して苦悩する)という演出の説明があったり。この作品は「ネバーエンディングストーリー」として映画化されています。これは大人が見ても面白そうだ!
またまた開演前から熱い時間を過ごすうちに、お客さんが続々と入ってきました。小松原さんが戻ってきて開演です。前回同様、ステージはNord electro 5Dの61鍵盤です。小松原さんはいつも穏やか、かつ滑らかな口調でご挨拶されます。まるで普段からお会いしているかのように。あまり動じない性格なのでしょうか。冷静な雰囲気があります。小松原さんのライブは10/6の青山HEAVENバンドライブ以来。開演に先立ち、マスターから説明が。会場にはクリスタルキャンドルがところどころに設置されています。様々な彩色のジェルキャンドルにはクリスタルの飾りが散りばめられています。どうぞこの辺りも十分に楽しんでくださいと。なるほど自分の目の前にはリュトングラスに入ったガージェリーみたいなキャンドルが!
<第一部>20:00-
①Photograph
②これが私だから
③始まりの駅
④踊るポンポコリン(B.B.クイーンズ)
⑤アンパンマンのマーチ(やなせたかし/三木たかし/ドリーミング)
⑥君が良かった
⑦花が似合うよ
第一部はしっとり目。以前のアルバムからの曲とカバー曲でした。①Photograph "1/100秒の間にあなたの仕草・記憶を閉じ込めたい、フィルムに焼き付けて消えることのないように” 速弾きの中でふと思ったように歌う。②「これが私だから」”朝起きたら誰もいなくなって何も残さず消えちゃえばいい ごめんなさい これが私だから” ③「始まりの駅」”そこは始まりの駅 荷物を降ろして 肩の荷も下ろして身を任せればいいさ” 北海道に旅行に行った時を思い作った曲。いつもと異なるシンプルな曲の進行に思いの純粋さを感じます。小松原さんの以前の音源には旅に関係する曲も多い。④「踊るポンポコリン」旅繋がりで先日静岡旅行に行った関連で、さくらももこさんの話題に絡めての曲。⑤「アンパンマンのマーチ」さくらももこさんからやなせたかしさんへと関連付けてアンパンマンの曲。④⑤とも小松原さん流にアレンジしたものは歌詞とメロディこそ原曲と同じなれどそこからの演奏は全く違うコード進行だったり全然違う難度の高い曲へと進化します。⑥「君が良かった」"nothing compares to you"という叫びが印象的。⑦「花が似合うよ」これ改めて歌詞を読むと違うことを想像してしまう。今度会ったときこの詞の背景を確認してみよう。サラリと歌っているが実はとても重い曲なのでは。
<第二部>21:00-
⑧KURA
⑨茶碗蒸し
⑩Don't stop the Sushi
⑪Last Christmas
⑫夢で逢えたら(大瀧詠一)
⑬酒がうめえ
⑭お布団
Enc.
⑮ケーキ
第二部はアルバム『Boldly+』からの曲も交えながら。⑧「KURA」。「蔵」を意味しているのでしょうが、暗くて身動きが取れず閉じ込められた自分の心を表現しているように聞こえます。あるいは幼少体験?⑨「茶碗蒸し」⑩「Don't stop the Sushi」。食べ物や生活にまつわる曲が多い小松原さんは今回も色々なアイテムをテーマにした曲。茶碗蒸しの作り方や中身を紹介しつつ食べたい気持ちや回転ずしの曲。”ボタンエビ、クルマエビ、アマエビ。大トロ、中トロ、小トロはなぜないの~回り続ける彼ら、ありのままの彼ら”。⑪「Last Christmas」クリスマスの時期にレンタルビデオ屋でバイトしていたときの利用客の行動やクリスマスが終了した直後の空虚感を曲に。⑫「夢で逢えたら」最近、82人の歌手が同じ曲をカバーしてアルバムとして出したという有名な曲を小松原さん流にカバー。⑬「酒がうめえ」はお酒が美味しいこの店では欠かせない曲。忘年会のような陽気さに思わず手拍子が。⑭「お布団」”ラブソングを歌います、ラブソングです”と強調する小松原さん。愛するお布団・温かいお布団の曲。寒くなってきたこの時期、なおさら愛が増しますね!⑮家族の人数って時代とともに増えたり減ったり。そんな時の移り変わりををケーキを分ける数に照らし合わせた、悲しげで感動的な曲。
小松原さんの曲は衣食住の日常生活を純粋にコミカルに描いたものや家族との繋がり、旅先で見た経験をそのままの言葉で綴り、飾り気のない歌詞を高度な鍵盤の演奏力の上に積み上げて音楽を作り上げています。
ライブのタイトルにある「リュトングラス」とはこの店でもオススメの飲食店でしか飲めない(酒屋では売っていない)ビール「GARGERY(ガージェリー)」のために特別に作られた、他では見たことがない形のグラス。やはり今日も音楽はもちろん、ガージェリーを飲みたくてここにやってきた部分もあります。ガージェリー本当に美味しいねぇ!新潟県の燕三条にあるエチゴビールの醸造所で作られているそうです。
ライブ終了後、ガージェリーを頼む小松原さんと乾杯!お疲れさまでした。今日はこの店の常連であるお客さんとも初めましてであるにも関わらず小松原さんの音楽などについて話が弾みました。この店のお客さんは本当に温かい。少し早いクリスマスのクリスタルキャンドルナイトでしたが、ものすごく楽しめました。第3回も是非開催してください。
【小松原さんイチ推しのライブ情報】バンドライブです!
2019/1/26(土)神田 THE SHOJIMARU YAMONES / 小松原沙織TRIO ツーマンライヴ『TOKYO BLUES』 18:30 OPEN / 19:00 START 前売¥3100|当日¥3500円(D別)
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