10/23(火)GRAPES北参道「3man Live "RUSKA"」。羊(Saiさん・吉村隆行さん)・高井麻奈由さん・Ryo Yoshinagaさんによる3マンライブでした。
10月も後半のこの時期、だんだん空気が涼しくなってまいりました。ついこの間までは酷暑や台風の季節だったので時間が経つのはあっという間です。今回はRyo Yoshinagaさん企画による3マン。RUSKAとはフィンランド語で”紅葉”という意味だそうです。この時期らしい題名。
今日は鍵盤を主体とした3組。ボーカル+ピアノのユニット・弾き語り・ボーカル&サポートピアニストと、それぞれ異なった構成の皆さんでしたが、ボーカル・ピアノともに秋の夜を漫喫できるお洒落でハイセンスな演奏が聴けました。
<羊(ひつじ)> Vo.Saiさん、Pf.吉村隆行さんの2人組(初見)。セットはご本人のTwitterより引用。
①encore(アンコール)
②ワンダフルワールド
③W(ダブル)
④眠れない夜
⑤きみ
⑥煙
⑦B.B.
Saiさんは繊細ながらも力もある声。吉村さんは大きな体格を活かしたダイナミックで音粒がものすごくしっかりした鍵盤さばき。その2つが混じり合う。どちらも複雑な曲調やテンポも変化したり、曲に合わせてSaiさんも振りをつけたり。吉村さんの鍵盤の表現力はすごい。①”ずっと近くにいたい、言葉がいらないことを教えてくれた~ずっと離れない思いが溢れてる” ②”辛いことたくさんあるけど、それ以上に綺麗で煌めくワンダフルワールド” ③”どこで誰と何をしても分かり合えない傷はどこで癒えるのか~何をしても分かり合えないことがある 形がどうなってもやっかい。見えなくなっちゃても形が変われば見えてくるかもね” ④”どんなに目をそらしてもあなたのことがばかりが巡る また会える約束もないけど 夜は深くなる あなたの笑顔が浮かぶ”
MCでは、飼っていた鳥のインコの話。ある日突然自宅に飛んできたインコ。そのインコとの別れ(死別ではない)の話に驚き。 ⑤の導入では吉村さんが荒波のようなPf.の前奏、そして3拍子。”覚めない夢の中で君と離れない どこにでも連れていってほしい” Saiさんのスキャット(ボーカリーズ)と吉村さんの踊るようなPf.。嘆きのような”忘れないと約束してよ わがままでいてよ そばにいてよ” ⑥綺麗なバラード。”永遠(とわ)には印がないから振り向いたとしても帰る場所はない~心の弱さをさらけ出して煙のようになってこの部屋から羽ばたいていこう” ⑦ググッと来るピアノから。”ダメと迷っていたら気持ちは戻ってこない。君は素敵であれ”。跳ねて踊るピアノと躍動感。お洒落な曲が続いた羊のステージでした。@hitsujiongaku
<高井麻奈由さん>高井さんは4月のチャイナスクエア以来。札幌からたびたび上京してライブしてくれるので、そのチャンスを待っておりました。その間にDEENのVo.池森秀一氏のプロデュース(なるほど高井さんと池森氏は北海道つながり)で6月ついにメジャーデビュー。ベストアルバム 10-ten-は全国流通で発売され、新宿のタワレコで買って聴いておりました。
Vo.Pf.高井麻奈由
①あなただけのスター
②君の翼
③Free world
④FAKE
⑤AM9:00のシンデレラ
⑥春の足おと
⑦It's show time!!
①「あなただけのスター」は以前のチャイナでのセットで聞き覚えがあります。”頭下げて営業しなさい、有名になりなさい、媚を売りなさい、世界のスターになりたいわけじゃない、あなただけのスターになりたい”。具体的な言葉を使った歌詞、音楽活動のリアリティさが心にぐっと刺さる。②「君の翼」ボサノバ風にさりげなくホップするように鳴るピアノと声。”追い越すように流れる雲を見てただ一人でいたいだけ~あと少しもう少し頑張ろうって 強くなれるさ 君の翼”。最後の”きみのつばさー”の声のまっすぐ伸びるボイスが素晴らしい。③「Free world」爽やかでアップテンポなメロディ。”恐れを捨てて駆け出すのさ I'ts gonna be alright" こんな声で言われると元気が出ます。
MCでは今日の企画者Ryoさんとの出会い。名古屋のライブステージで一緒になり、それから交流が始まり今回の企画にも招かれたとのこと。札幌・名古屋・東京と遠距離でも心の繋がりは尊いものです。 ④「FAKE」”間違いだらけのこの世界であなたは何を選ぶ? 夢なら夢で覚めないで 私を愛してもっと愛してよ” フェイクに溢れたこの世の中で真実を探す、そんな曲。太く強い高井さんのボーカルが冴える。⑤「AM9:00(午前9時)のシンデレラ」このゆったりとした3拍子のアダルトなこの曲は大好きです。”出会わなきゃ良かったなんて言えるはずもないこの口がサヨナラ告げたら気づいてくれるの?好きだって 本当は好きだって” 音源もいいのですが、今日の弾き語りではゆっくり噛みしめるように。余計に切なく歌ってくれます。⑥「春の足おと」和製POPS的なバラード。”あなたにそっと寄り添う未来を春はきっと見守るでしょう” ご両親に向けて歌った曲とのこと。”いくつ年を重ねてもあの頃と同じ”というフレーズのメロディーが特にいいんですよねぇたまらない。歌詞も泣けます。⑦「It's show time!!」最後はアップでソウルフルな曲。”今宵は踊りあかせ一晩中 魅惑のショータイム!”@ManayuTakai
<Ryo Yoshinagaさん>Ryo Yoshinagaさんは6月の代官山LOOP以来。この時感じたRyoさんの大人の色気と中音域からハイトーンまでよく通る声でめちゃくちゃ上手いなあと聴き惚れておりました。今日も前回同様Pf.ハナブサユウキさんをサポートにハンドマイクで。
①見上げごらん夜の星を ⇒ 星になる
②だから今夜も誰かが歌う
③Talk to you
④mine
⑤Unelma
⑥Leap
前回聴いたセットの中から「星になる」「だから今夜も誰かが歌う」「Unelma」が入っておりました。①誰もが知っている星空を仰ぐようなメロディからの導入。そしてオリジナルの「星になる」”星になって飛び越えて行けるように~幾千の時を超えて信じてるから想像し得ることは何でも叶うのでしょう 恐れることはない” 満点の夜空を仰ぐようによく通るボーカルとロマン溢れるお洒落なピアノ。②「だから今夜も誰かが歌う」”大切なことは口に出してみるんだ 伝えることが大切 だから言葉があるのでしょう”←ここの歌詞に胸が熱くなりました。ここまで夜空を見上げて歌うのが素敵な曲が続きました。GRAPESのシーススルーな空間にとてもよく似合います。③「Talk to you」”いくつもの言葉があったって、心がなければ意味がない 疑わしい私の心”疑心暗鬼な気持ち。②の”言葉”、③の”言葉”。真逆の価値観を感じます。④「mine」テンションコードが小洒落た、こういう感じは聴いてて気持ちいい。”強い私も 弱い私も ひとりだと どうやっても私はここに” 曲調とは別に歌詞は心の内面の描写。歌も演奏も強い。すごい。
MCではSaiさんの鳥の話に関連して、最近ご自宅でインコを飼い始めたそうです。⑤「Unelma」(ウネルマ)とはフィンランド語で「夢」という意味だそうです。”夢は見るものではなく叶えるもの あきらめなかっただけの君がいる 私がいるから” 夢は見るものではなく叶えるもの、っていい言葉ですね。⑥「Leap」は英語で飛翔・跳躍。ゆったりしたピアノ伴奏に力あるRyoさんのボイス”窮屈な世界にサヨナラしたい いろんなニュースが器用にそれを隠す 疑いに怯えているままじゃなく 飛んでみればいい~一生一度のそのときどき、変わり映えのない日々でも地球は止まってくれない それが生かされているということ 誰もが生かされている” 歌詞は聞き書きなので曖昧ですけど、強いメッセージ性のある言葉の力、それを後押しする強力でソウルフルなRyoさんの歌声、ハナブサさんの鍵盤の超絶な美的感覚。これがRyo Yoshinagaさんの音楽だと知りました。@RyoYsing
<アンコール>
Enc. Vo.Sai・高井麻奈由・Ryo Yoshinaga / Pf.吉村隆行
You 've got a friend(Carole King)
アンコールは、羊のお二人、高井さん、Ryoさんによるキャロル・キングの曲を。)3つのパート、3声のハモがとても素敵でした。
物販席ではRyoさん・高井さんとも半年近く以前に会った自分を覚えててくれてとても感謝です(名前も!)。高井さんは地元北海道での震災後、何かできることはないかと募金箱を物販席に設置しているそうです。ちょうど自分も募金をするきっかけを探していたので少ないながらも募金いたしました。今日の企画名とRyoさんの曲にフィンランド語が使われているのはなんで?と思いましたが、過去の投稿に大学で北欧政治を学んだとありました。これかな?
声と鍵盤、2つの楽器(!)が織りなす魔法にかけられたような素敵な秋の夜長となりました。
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