9/28(金)、四谷Doppo「Doppo Presents」iNOさん・富山優子さんによる鍵盤アーティストによるツーマンライブでした。
iNOさんは6/22の銀座Miiya Cafe以来のライブ観戦、ただその後何度か他のアーティストのライブでお客さんとしてお会いしており、3か月もご無沙汰している気がしません。そう、iNOさんと自分がリスペクトする共通のアーティストがおり、ライブの客席で観覧に訪れたiNOさんを初めてお見かけした時はビックリしたものです。
もちろんそれ以前にiNOさんの音楽に触れ、所属するバンド「iNA BAND」の音源を聴き、音楽は非常に気に入っております。繰り出す音楽性は異なれど、歌も演奏もハイレベルな音楽です。
<iNOさん>
①砂の城
②et se
③あと5分だけ
④プロムナード(ムソルグスキー) ※Dr.サポート
⑤Case8 : the Earth ※Dr.サポート
⑥line
⑦楽問のすゝめ
⑧the wheel of life
Enc.⑨white moon
①はiNOさんのセットでは必ず入る曲。抒情的にヨコに流れる旋律と浜辺で流れ崩される砂の城に自らの崩れを止めたい思いを寄せた歌詞。②何となく昭和歌謡のテーストのある恋の奪い奪われを楽しんでいるかのような曲。③音源未収録。3つのシチュエーションの物語から構成され、朝起きれなくて2度寝してしまったという朝の純粋な気持ち、あと5分早く起きれたら遅刻しなかったのにという残念な気持ち、1日はあっという間に過ぎる明日に向けてもっと前向きにという気持ち、毎日の日常を素直に歌う。④ここで今日はDoppoの川崎店長がDr.として登場。サポートというよりはセッション。以前のDoppoの出演で2人で何かやろう、と考えていたそうです。1曲目はELP(エマーソン・レイク&パーマー)による”展覧会の絵”からのプロムナード(ムソルグスキー)。プログレからのカバー。⑤iNA BANDからの曲を2人のセッションで。静かに入りながら急転、左足のフットペダルがカウベルを叩くほうに切り替わりリズムを刻む。通してリズムが複雑に変化する曲ですが息がピッタリ合う演奏でした。MCではiNOさんは音楽活動10周年、いろいろな音楽を聴いて自分のものにしてきたと(先ほどのようなプログレもヘビメタも聴いているとか)。⑥音源未収録。前回6月のセットにも入りました。社会人になった時の心の葛藤を歌った曲。熱くなる気持ちと落ち着こうと言う気持ちと。心の中を遠くの目から見てみよう、という内容⑦高校時代に作ったという晴れ渡る未来を歌う弾むように前向きな曲。この曲のような前途洋々な時期から社会に出て辛い思いをして落ち込んだ時期(この時期の作品は割と暗めだそうです)、今は峠を越えて「楽問のすゝめ」を作った頃のように人生を楽しめる時期に達したとのこと。⑧最後の曲に相応しいiNOさん取って置きの曲。”ジャッジャーン”とタテに入るイントロが妙にカッコいい。そこからのガラッと変わってヨコに漂うような幾多にも変化するメロディと強弱。特に終盤の力強い声が秀逸。"wheel"とは車輪(ホイール)とか基軸という意味。誰かにすがったり頼ったりする状態から一人旅立つ気持ちを歌う抒情的な曲。改めて歌詞カードを読みながら音源を聴いていますが、この曲はスゴイ。後半のキーが上がるところの複雑な展開は自分も気に入っています。おおぉっ!となってしまう。⑨Enc.さざ波のように流れるような優しい旋律。次に富山さんのステージがあるのに まさかのアンコール。トリでない演奏者がアンコールをもらうのは初めて観ました。それだけiNOさんのステージは素晴らしかった。美しい声とピアノ演奏、複雑に展開する曲調。すごいなやっぱりiNOさんは。
<富山優子さん>
富山さんは先月8/31の四谷天窓.comfort以来2度目。この人の曲も聴いていておおぉっ!っとなってしまう複雑極まる曲の展開をするアーティストです。今日はiNOさんとのツーマンということで楽しみでした。
①Air~エア
②異国にて
③INTRO
④おおグリーン
⑤秘めたストーリー
⑥おうい鳥よ
⑦ハイデリッヒ
⑧光のトレモロ
Enc.⑨わたしたちは、たった、ひとりだ。
ふんわりとした声、時には淡々と、時には儚げに歌う歌声の裏には不思議な進行をするピアノ演奏。「INTRO」ではその名の通り凄まじいイントロがあり、濃霧の湖畔のように優しく歌う「おおグリーン」MCでは1句詠んだり。「光のトレモロ」ではトレモロ奏法を駆使し、サビでは雄大に。その声とは裏腹の内に秘めた情熱を感じます。アンコールではバロックのようにオクターブ音で刻むメカニカルな曲。聴いていてこの人も凄いなと感じさせます。富山さんのブログを拝見すると、ライブごとのセットリストはキチンと書いており、その中には必ず初披露の新曲やタイトル未定の新曲が必ずと言っていいほど入っている。引き出しの多い音楽家です。
終演後は、お二人とも音楽の話を中心に話させて頂きました。iNOさんが川崎店長とセッションした「プロムナード」で自分が記憶に残しているのは冨田勲さんの「展覧会の絵」。世界のTOMITAのシンセサイザー音楽は大昔結構聴いていました。そのことをおふたりに話したらやはり知っていて、世代を超えてTOMITAは聴かれているのだと思いました。まあELPのようなプログレを聴いているということは自分よりも相当いろいろな時代のいろいろな音楽を聴かれているのでしょう。富山さんが気づいてくれました。この音源のジャケットがTOMITAのジャケットによく似ている(上のTOMIYAが)!
今日も高尚な音楽が堪能できました。 iNOさん・富山さん・川崎店長お疲れさまでした。冒頭の写真はファンの方から頂いたイタリアワイン「イノ」のボトルを持って富山さん・川崎店長とのスリーショット。iNOさんがイノのワインを! 美味しいお酒を飲む楽しみができましたね!!
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