10/30溝の口neonera・HarunaさんxRyo Yoshinagaさんツーマン

10/30(土)、溝の口neoneraにてHarunaさん・ Ryo Yoshinagaさんによるツーマンライブが開催されました。


2人によるツーマンライブは今回で3回目。これまでは自由が丘で行われ、直近では2019年12月のクリスマスツーマンです。ここからコロナ禍を経てようやく今日にこぎつけました。Harunaさん(2020年4月にHARUNAさんから改名)とRyoさん、普段からとても仲が良く、実力あるボーカリストとしての共通点もあり音楽的にも相(愛?)惹かれているとお見受けします。前の2回も非常に魅力たっぷりなライブでした。


溝の口neoneraは溝の口駅から歩いて5分ほどの距離にあります。溝の口?溝の口は初上陸です。駅は東急田園都市線とJR南武線の交差した場所にあり結構拓けています。駅前に大きな商業施設そして人々の行き交い、賑わい。発展しているのは北側で南側はすぐに木の生い茂った丘があり鉄道が挟まれている感じ(だから溝の口?)。緑が多くて景観ばっちりです。neoneraはその丘の麓にあるフィオーレの森というお洒落なレストランが集積する施設の1つになります。


このフィオーレの森、すごいお洒落な場所!自分のような庶民が来るような場所ではないような。フレンチレストランやカフェがあったり井戸があったり日本庭園のような場所があったり。なんとも風情のある場所。そのカフェの2Fにmusic hall cafe & BAR neoneraがあります。


受付を済ませるとお店は屋外のテラスから小部屋、物販席、バーカウンター、客席、ステージと縦長の配置。いろんな場所でくつろぎながら音楽が楽しめます。とりあえず客席の一番前に陣取りました。建物全体がウッドの造り。床・本棚やイス・テーブル・窓枠まで木材の優しさに包まれた、何ともお洒落な空間です。お酒も解禁され、各々好きな飲み物を。


ステージには左手からYAMAHAのモンタージュとKORGステージピアノのキーボード2段構え。こちらはハナブサユウキさん。ピンクのマイクが特徴のRyoさんのハイチェア、Harunaさんのハイチェア、右にHarunaさん用鍵盤のRoland RD-800(おっと鍵盤メーカー勢ぞろい)。後ろには豊田稔さんが演奏するパーカッションが位置します。豊田さんは脚に鈴も付けます。カホン・シンバル・ウィンドチャイム。。。打楽器って1つずつの編成が自在で自由度が高すぎてセンスと能力・知識がないと難しそうです。スティックやブラシ、素手とか。さあ、開演間近。お客さんで席は埋まりました。


Vo.(※Key)Haruna  Vo.Ryo Yoshinaga  Pf.ハナブサユウキ  Per.豊田稔

<第一部>

1)スキップ・ビート / KUWATA BAND (cover)

2)好きだから嫌いと言って / Haruna ※

3)Colchicum(コルチカム) / Haruna ※

4)Talk to you / Ryo Yoshinaga

5)このまま(新曲) / Ryo Yoshinaga

6)レイリー / Ryo Yoshinaga


今までの2マン同様、お互いの曲やカバー曲のリードを取ったりハモったり、交互に歌ったりの自由な設定。これが2人のライブのやり方です。

「スキップ・ビート」。Harunaさんは茅ヶ崎出身のアーティスト、最初は桑田氏の曲を入れようと2人で考えたそうです。入りはお洒落なサウンドで、途中から何の歌かはすぐ気づきましたがアレンジが素敵です。2人ともボーカル、気合入っています。Harunaさんの太くさせた声、Ryoさんのハイトーン。しょっぱなからガンガン来てますね!

「好きだから嫌いと言って」新譜unubore(うぬぼれ)より、色気ある声からフワリと流れるメロディ、サビは4ビートのバスドラがアクセント、Harunaさんの美しい声の下をまさぐるようにRyoさんと豊田さんのバックCho.が絡み合う。このリズム、4拍タテに首が上下してしまう。嫌いなのか好きなのか、惑う心を描く歌詞。お洒落でHarunaさんらしいカッコいい曲です。

MCは軽妙で2人の掛け合いはとても面白い。座った位置がHarunaさんの鍵盤の真ん前で気の入り方がダイレクトに伝わります。

「Colchicum」こちらもunuboreより。コルチカムは別名「イヌサフラン」。有毒植物で有名です。毒々しい花には鮮やかに美しく、色んなものが寄り集まって来て、離れられくなるという例えに沿って、。。。 色っぽく優しく歌うバラードっぽく。優しい雰囲気のサウンドなんで音に毒っぽさはないんですけど、詞の内容が違うんですね。毒があることなんて初めからわかっていたと。

「Talk to you」バスドラが4拍で始まる、Ryoさんのこの曲、いつ以来だろう!すごく久しぶりに聴く曲。なんか新鮮です。この曲を敢えて選曲したのもコルチカムからの繋がりなんでしょうか。M7th系が多いRyoさんの他の曲とは違う雰囲気の若干マイナーっぽい作風、しかしRyoさん特有のハキハキした口調で細かく練られた言葉を巧みに操る歌い方。はなぶーさんのEp.速弾きとシンセベースラインのダブル鍵盤もすごい。

「このまま(新曲)」こちらは本邦初公開、というボサノバ調の曲。コロナ禍で思うようにできない感情をまさにこのままに作ったそうです。 ”わたし、このままじゃいけない” と言い続ける。ボーカルもブラックミュージックっぽさがあっていい感じです。MCではコード進行も”このまま”とのこと。言われてみれば4コードぐらいしか使ってない??

「レイリー」7月のバースデーライブで初披露された曲。「レイリー散乱」という空の色が時間帯によってさまざまに変化する光の散乱現象を参考に歌詞に。空を見上げながらぽかんと呟くようにフワリフワリと歌います。しかしメロディは独特で予想もつかない旋律が浮遊感を際立たせる、不思議な感覚です。(雰囲気的にはリフレインっぽいです)。”泣かないで セピア色の日のわたし 恥じることないわ 愛することはいいことよ 思い出すことより忘れてしまうことが多いのが どうしてこんなに難しいの” 

 

<第二部>

7)SEA / Ryo Yoshinaga

8)Melt / Ryo Yoshinaga

9)Calling you / Jevetta Steele (cover)

10)小雨時雨 / Haruna ※

11)夜に浮かぶ / Haruna ※

12)雨のち晴れるよ / Haruna


インターバルの後の第2部はRyoさんの「SEA」。大好きな曲を持ってきてくれました。ダブルVo.やPer.付きは初めてかも。深い海の底から浮かび上がるように柔らかいPf.から入り、Ryoさんの優しいVo.。2番はHarunaさんが。同じ曲でも雰囲気が変わりとてもいい感じです。間奏のはなぶーさんのシンセのフワリ感、豊田さんの打楽器そこからのRyoさんとHarunaさんが交互にサビを歌う。”海よりも深く広く~” 何度聴いてもすげぇいい曲やな~ 海に近い所に住むHarunaさんを思っての選曲だそうです(そういえば最初のKUWATAさんの曲も)。

「Melt」はなぶーさんがノールックで最初の和音C#m7♭5をポーンと鳴らすと条件反射のように”表情も~”と歌い出すところは笑いのトークネタになっていましたが、それだけ練習を積んでいるということ。今日も持ち前のパワーボーカルが弾(はじ)けました。Harunaさんの入れるハモ(主に下ハモ)も見事だし、はなぶーさんも間奏はすごく音符を詰め込んでくれたり、豊田さん打楽器もお洒落。Ryoさん高音キレイですね!

「Calling you」は映画『バグダッド・カフェ』の主題歌とのこと。サビのメロディが何とも艶めかしい。音程の取り方も難しいと思いますが、ブラックミュージックを普段から聴きこんで身体の一部にしているのでしょう。さすがの2人です。これはスゴ腕ボーカリスト冥利に尽きるんでは。歌ってて気持ちよさそうな2人。最後Ryoさんのオクターブ下をHarunaさん。低い声もキレイに出ますね。

「小雨時雨」Harunaさんの楽曲から3曲です。雨の曲を多く書くというHarunaさん。雨が似合うバラードです。一音一音丁寧に落とし込むように弾く鍵盤。Bメロから転調が入りサビへ。 ”流れゆく雲 行き先はここ? さよなら君と傘の下 小雨時雨”   間奏の雨がしとしと降るようなRyoさんのハモと幻想的なシンセ。

「夜に浮かぶ」若いころに見た夢と大人になって見る夢や叶え方の違いをひっそりと歌った曲。”夢は旅だ 生きる術だ いまだ諦められなくて 夜に浮かべ灯しながら ずっとずっと信じてゆく 静かに夢を見る” スキップしたリズムに乗って ”タ ターラ タタタラ” という独特の繰り返す旋律が対比的(声質の対比もいいすね!)。最後のHarunaさんの声とは言えないような、叫びのような高音な声が素敵。

「雨のち晴れるよ」降りしきる雨もやがては晴れるよ、と元気づけてくれる前向きな曲。 "希望を持つことさえも失いかけてしまっていた あの頃はずっとキラキラ光ってドキドキ鳴らして~”の部分(指を差しながら)あ・の・こ・ろ と歌ったり、”単純なことばかりでも肝心なことだらけで私らしくあるためには~” ここのフレーズ好きです。”雨のち晴れるよ”と楽しそうに歌います。Harunaさん楽しそうに歌ってるし、Ryoさんも気持ちよく声を乗せる。最後のHarunaさんのロングトーン綺麗でした。


En1)どんな風に伝えたらいいのか / Haruna

En2)Leap / Ryo Yoshinaga

「どんな風に伝えたらいいのか」重厚な鍵盤と打楽器の3拍子を基点に雄大に歌う2人。2020年12月のリリースにはRyoさんもCho.に参加しています。 ”どんな風に続いていく道に 答えを探すことを止めて 私は今日も歌ってる”  ”笑えない日も 泣けない日も どんな風に乗り越えてきたのだろうか ありがとうもさよならもどんな風に伝えたらいいのかを探している” ”ずっとあなたと信じていたい” で見つめあう2人。クリスマス時期を迎えピッタリの神聖さを持った曲です。

「Leap」落ち込んでいても、雨が降っても そういうことに生きる意味があるんじゃないか、自分らしく生きることが大事なんじゃないかという思考のもとに作られた曲。MCでもHarunaさんはRyoさんへの好評価を話していましたけれども、マイナスなことがあってもそれを今後のパワーに変えていける思考回路を持っているし、Ryoさんは言葉や曲に変えいく魔法(タイカ?)が使える。Leapはそれを表現してくれています。この曲はRyo Yoshinagaそのものであると思います。 ”晴れの日が怖くても 雨の日を憂いても 朝は私に追いついてしまう それが生きているということ一歩だけその一歩でいい 海だって越えられる時代でしょう 胸に手を当て聴いてみて Leap up for tomorrow 飛び立つ時が来た” 


溝の口neoneraでのツーマンライブ、ありがとうございました。2019年12月以来の2人でのライブ、たっぷり愉しみました。2人の曲を2人が歌う。リードもハモも。こんな融合もお互いのリスペクトがあるから成り立つことだと思います。Key.はなぶーさんiPadを立てていたからお姿が全然見えなかったけど音は素晴らしかった。Pf.にシンセにベースに1人何役。お疲れ様でした。豊田さんは徹した感のシブいパーカッション、冷静沈着さは変わらず。この安定感は素晴らしかったです。


Harunaさんは目の前で聴いていましたが今回のライブ、相当気合いが入っていただろうし、身体全体を使って音を表現していく、その姿は眼を見張るものがありました。それにしても中低音からホイッスルまで広い音域だし素晴らしい歌声で、しかも本当に楽しそうに歌っている姿を見て、「熱気」というものがこちらに乗り移って来てました(おおぉ!燃えている!と。)。写真は音源Unuboreと素敵な1枚。※Unuboreってアルファベットで書くとフランス語みたいなお洒落な単語になりますね。いい感じです。聴き始めていますが、今日やった「好きだから嫌いと言って」とか「Feeling」が特に好きです。でも全体的にいい曲ばかりです。


Ryoさんは昨日のコンサートのコーラスサポートからの2days、本当にお疲れ様でした。昨日と今日とは全く違うジャンルの曲を歌い(ヘアスタイルも全く違う)、さぞかし大変だったことでしょう。それでも今日は気の合う人たちとのステージでいささかホグれたのではないかと思いますが、Leapの気持ちで前を向き続けた結果、ライブは大成功でした。別ライブのブログで ”りょうちゃんの曲は絵本を開いたように、そしてページをめくると色彩鮮やかで、自分は主人公の女の子になった気分になりページをめくるワクワク感で溢れるような世界” と紹介しましたが、これを言ったのはHarunaさんです。自分も激しく同感です。今日も輝いてました。写真は花束と(いつも素敵です)。


今回も凄い2人のツーマンでした。4回目も必ず開催してくれること、心から願っております。





ishidukuri(きり)'s 音楽ブログ【別冊(文字・下書き版)】

【文字版です】★★素敵な音楽を作るミュージシャンをリスペクトしています★★ギター🎸をたしなみ程度★変則転調・M7コード系大好き★2016年からライブ観戦★ブログ投稿★宅録派★まれにオリジナル★MIDI打ち込み★弾き語り等。※通常はアメブロをご覧ください(内容が異なることがあります)

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