3/25(水)、高円寺U-hAでのスリーマン。やまだゆりこさん・雨凛(あめり)さん・神楽サティさん。鍵盤弾き語りを中心とした3人のミュージシャンの競演でした。
春分の日を超えもう昼のほうが長いはずなのに、冷たい風が吹き抜けます。昼間は陽射しが強かったぶん寒め。世間の自粛ムードを助長するような、そんな強い逆風を吹き飛ばすがごとく、気持ちよい音楽を楽しむことができました。
高円寺U-hAは2度目で、前回は2018年7月だったので1年半ぐらい経ってしまった。高円寺は若い頃、訳あってほんの一時期住んでいたことがあって、とても懐かしさを感じます。北口より南口アーケードのPal商店街やスーパーの西友などは当時からあってよく買い物に行ったものです。
U-hAは民族雑貨がオブジェとして周囲に飾られたこじんまりとした箱で、店長が1人で切り盛りしており、空き時間には出演者やお客さんも交えて雑談できるアットホームさが特徴。店長 瀧川誠さんはTwitterでの政治・社会に関する意見が的を得ていたり、音楽やミュージシャンに関するリスペクトも高い、お会いしたのはまだ2度目ですけどなんどもお会いしているような感じです。ステージではアップライトのピアノを今日は3人とも使用のため、壁のほうを向いて歌います。
<やまだゆりこさん>やまださんは鍵盤弾き語りアーティストで昨年3月の代官山LOOP(Ryo Yoshinagaさんの対バン)、12月のチャイナ(工藤由佳さんの対バン)で拝見し3度目。優しくなだらかな、癒し系の声。ふわりとそよ風が吹きます。夜・月・星・絵本などメルヘンの世界を描く歌が中心。後日Twitterで手首に直筆した覚え書きのセットリストの写真が可愛らしい。「サーチライト」「星になる」「旅人」「回転木馬」「マーメイド」「ピエロ」「とうこ(漢字わからず)と夏の冷蔵庫」「ペガサスの唄」というラインナップでした。優しく手を繋いでくれるような淡々と、煌々と照らすようなサーチライト、「星になる」は前回も聴いた記憶が。 ”夜が来るたびキラキラ輝く星 一等星 二等星 三等星 月も舞い上がる” とこんな感じ。夜空をやんわりと楽しむ印象。「旅人」では手を伸ばし、恋人が光を探し求めるさまを。「回転木馬」悲しみを乗せて回り続けるさまは、「マーメイド」「ピエロ」にも似た、華やかな場面では見せない裏の心の闇を描いていると思います。新曲「とうこと夏の冷蔵庫」はアイスクリームのように融けた心はもう戻らないと。「ペガサスの唄」は夜空の情景を舞台に。ペガサス・オリオン・そしてあなたの大好きなチョコレートの世界に連れていってよ、と願いを込めて。MCではサティさんとは昔からの友人にもかかわらず対バンは超久しぶりとのこと。引用:https://twitter.com/osakana_yurico/status/1242823666095624192/photo/1
<雨凛(あめり)さん>初見の鍵盤アーティストで "野中慎里江×雨凛"というアカウントでTwitterされています。豪快な鍵盤遣いとパワーのある声、歌劇のように場面を変化させ感情を露わにした曲調。体格がしっかりしていて鍵盤の前に座る姿勢がなんともピシッとしている。なるほどトレーナーを仕事にしているそうで、美ボディのコンテストにも入賞しているそうです(身体にいいストレッチも教えてくれた!)。ある曲では「フィリアフィリアフィリア」や「いいたい」ことを艶めかしく、またある曲では堅牢な、お祖母様のことを歌った「グランド」、サウルハープという小型のハープも弾き語りで行い、スマホで歌詞をみながらの即興での演奏やハープの弦の弾きと歌声がマッチする「君色瞼」など、音楽とフィジカルの両立がなされ多彩・多才なミュージシャンです。
<神楽サティさん>直近では2/15の府中以来。それ以降の出番も行きたかったのだけど新型の対応と年度末で忙しくなってここまで延ばしてしまった。こんな状況の中でも積極的に活動・遠征しファンの支持を得るというタフさを持つサティさんです。サティさんが弾くピアノの鳴りが弾み、煌びやかな音色に。
①サーカス
②Earphone.
③インスタント・ラブ
④night cruising
⑤フラストレーション
⑥Rainy
⑦ハイウェイ
「サーカス」から「Earphone.」はメドレーでさりげなく繋げるように。「サーカス」 ”
消えないでこの音楽と 鳴り止まない歓声 終わらないでこの一瞬の 煌めきに胸が躍る
夢の中だけで会えるサーカス” 弾む3拍子。人々が眠った後、おもちゃ箱から飛び出す賑やかな様子を。「Earphone.」はサティさん得意のパターン。都会の雑踏・疲労感をイヤホンから流れる音楽でつんざく。働きづめでも明日の仕事に向かって考えてしまう。やるせない感情を描写。「インスタント・ラブ」は春らしく快調なテンポ。 ”このままこの時を止めたいと願う ゆっくり時間をかけて愛してほしい もっと時間をかけましょう” 和音の響きが綺麗で自分好みの曲。続けての「night cruising」はサティさんの代表曲。”煌めくパーティを抜け出して ここから始まる僕らの one night” の出だしから夜のシティポップ(言い方古い?)を代表するような歌いまわしや歌詞。この曲のグルーヴ感は突出してエモーショナルでいい雰囲気。そこから更に続けてギアチェンジ、新型〇〇〇をぶっ飛ばせ!と言わんばかりの「フラストレーション」畳みかけるような言葉の数々、どれだけ溜めているのか、それは誰もに共通すること。特にミュージシャンを始めとしたエンタメ界と取り巻くスタッフ、お店の店長さんも含め この思いを〇〇〇にぶつけるぞ!的な勢いに同調し気持ちが湧き立ちます。とにかく ”越えて行け~越えて行け~” ですな! 吐き出して多少落ち着いたところで「Rainy」という3拍子の雨音のような曲。 ”Rainy day 涙がこぼれてしまわないように温かいミルクティーを入れましょう Rainy day まだまだやれる気がしてる 明日晴れたら君に会いに行くよ 雨上がりの虹を探しに行こう (聞き書き)” 最後の曲は「ハイウェイ」。旅の道程・東京を離れ、突き進んでいくようなメロディ。街は小さくなり通り過ぎて行く。地平線の彼方へ。色んなしがらみはもう振り返らず。
サティさんの音楽は都会・ネット・SNSを背景にした現代社会をさまざまな切り口で時には彩りよく、時には辛辣に、センスの高い曲調で仕上げ、完成度が高いアーティストだと思います。フラストレーションのような怒りをぶちまけた曲はあるものの、すごく楽しいとか幸せだとか すごく嬉しいなどの表現はせずに、遠巻きに、第三者的に心の情景を描く、いい意味での さりげなさ を持っていると思います。今日はトリということでアンコールに応えてくれました。
En.凛とした人
先ほど遠巻きに、第三者的と申しましたが、「凛とした人」は、反して実直に、まっすぐな気持ちで歌い上げた唄、自分はDemo映像を拝見し、いい曲だなぁと思い、コードなどを取ってTwitterに上げておりました。アンコールに選ばれたのはその投稿を見てくれたのが理由。選んでくれてありがとう!
D Gm D Gm G A7
D F#m/C# Bm Bm/A GM7 F#m7 Em A7sus4 A7
朝 目が 覚めた 時に 差し込む光さえ閉ざしては
D F#m/C# Bm Bm/A GM7 A7 D G A7
世界に独りきりだと 思ってまた目を閉じる
D F#m/C# Bm Bm/A GM7 F#m7 Em A7sus4 A7
涙を 流した 後は 自分が小さく見えるんだ
D F#m/C# Bm Bm/A GM7 A7 D Dsus4
誰かの笑う顔 さえも 美しいと 思えない
Gm D Dsus4 Gm D
どこに進めばいいのか ここではダメなのか
F#m Bm Bm7/A E7/G#
分からずに 立ち止まって
Em7 F#m G A7sus4 A7
周りと比べては自信を失くす
D F#m/C# Bm Bm/A GM7 F# Bm Bm7/A
凛として いたい 凛としていたい
G A A/G F# Bm Bm7/A
心が折れそうに なることでも
Em Em7/A A7 D Gm D ~
しなやかに受け止められる 愛がほしい
おそらく完全には合っていないだろうけどこんな感じです。淡々と歌いますが、しっかりどっしりと歌ってくれます。この曲大好きなので思わず感情移入してしまいました。拳を握りしめ、目頭が熱くなりました。素晴らしかったです!
今日は久しぶりの高円寺U-hA、素敵なスリーマンでした。こんな状況の中、営業を続けて頑張っているU-hA店長の瀧川さんに敬意を表します。店長は「凛とした人」なんだろうな。。自分自身も対策はしっかり施し、終演後は早々に引き上げました。3月初旬からほぼ毎日1回は体温を測り、異常でないことを確認しています。熱がないから大丈夫ってことはないけれどもアーティストも、お店も、お客さんも互いに気をつけ、これ以上のリスクが生じないようにして現状が回復することを祈っております。高円寺U-hAさん、とてもアットホームでいい箱です。年度変わりで多忙ですけど少しは時間を作らないと、と常に思っています。事態が好転せずこのブログを立ち上げるいいタイミングがなかなか訪れず、こんなに遅れてしまいました。今でも決していいタイミングではありませんが、少しでも現状が回復することを祈る意味を込めて、皆さんの音楽活動が続けられるように。
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