2/9(日)夜、水道橋Words「音楽文庫 Vol.22」。桃南さん・yayAさん・野坂ひかりさん・向江陽子さん。個々の世界を持つ素敵なアーティストの競演でした。
寒風吹きすさぶ2月。暖冬と言われますが今日は相当堪える日でした。そんな寒さをも吹き飛ばす4組。初見はなくどんな音楽を展開するのかわかっていたし、久しぶりに拝見するアーティストもおられるので非常に楽しみ。水道橋Wordsは立地もよくていい場所です。
<桃南-mona-さん>沖縄県出身Pf.弾き語り。真昼で1度ステージを拝見したことがあります。調べたら2018/1/31だったので2年前。結構時間が経ちました。ナレーションを入れ自由な曲調・テンポで弾きながら物語を綴るように話し・歌う独特の『琉球シャンソン』というスタイル。歌の1つ1つにそれぞれの世界があります。「猫街」という猫の世界を描いたおとぎ話のような曲、「水に落ちた花」はロンドン・デリーの歌に独自の詞をつけ思いを込めながら。「ラスト・キャバレー」というアダルトな曲。これらは前回記憶があります。島の神(姉妹)と戦にあった島の民との関係を歌った「優しい島」(だったかな?)も印象的でした。やはり沖縄。大きな過去を背負い表現できるアーティストさんです。
<yayAさん>励まし系シンガーソングライターのyayAさん。先日1/27の代官山LOOPで拝見して4度目。今までは全部LOOPだったので他の場所での演奏を聴けるのは新鮮です。サポート鍵盤は大好きなハナブサユウキさんだったのでこれもまた楽しみ(はなぶーさん30回ぐらいお会いしているかも・・)。
①Gift
②ラブノジャク
③Motto
④希望のせいだ
⑤ならば生きよう
⑥休み時間をあげよう
⑦イマココ
①「Gift」yayAさんの曲は人を元気にさせる効能がある薬のようです。『どんな困難な状況でも考え方1つで幸せと思えるじゃん』こういったメッセージを持つこの曲。 ”当たり前をありがとうに変えてゆけたらこの街も 少し明るく見えるよ 優しく輝けるよ きっと~” という輝かしいサビ。歌がキラキラして気持ちが明るくなります。”Life is the Gift”。※コードを取った想像図=当たり前 F のありがとうにB♭/F 変えて 行 Am けたら こ A7 の街も 明 B♭ るく見え C7 るよ 優 Am しく A7 光るよ きっと Gm7 きっと C7 ~
②「ラブノジャク」バレンタインシーズン突入ということで、恋するオトメよ素直になれ、という気持ちを込めて。「ラブ」と「あまのじゃく」を掛けた独特な題名。確かにチョコレートのCMに使われれば!
③「Motto」アダルト風に攻める曲ではあるが、真っすぐでド直球な恋心を描く。yayAさんの歌唱力がとてつもない。ステージで歌いながら入れる振付も完璧で完成度高い。”あたしだけのあなたにできないなら もっとモット壊して” クラップが凄くて、演者もノッておりました。はなぶーさんも笑顔だった!
④「希望のせいだ」こちらもGift同様、力が漲る人を元気させる曲。 ”まだまだやれるんだと思えるのにこんなに不安に負けそうなのはきっと希望のせいだ そしてそれは可能性なんだ ちょっとした考え方の違いだけでどうにかなるんだ” と聴いてる自分もコブシに力が入るエネルギーの詰まった曲です。”強風で吹き飛ばされた看板にぶつかりケガをしたが大事には至らず。それを災難にあったとみるか、軽傷で済んでよかったかと考え方を変えること。” 確かにそうですよね。素晴らしい。
⑤「ならば生きよう」Gift・希望のせいだに関連付けるようなブルース調の三連符の曲。"履き潰された靴とくたびれたスーツからあなたの人生が香りだす 人生に終わりなどない 誰かの心に生き続ける 終わりないゲーム なら試そう 生きよう” 時間ばかり浪費してつまらない人生にこれからの意味をつけるように。意味づけなければいけない。最後”この身を~”のパワーは凄い。鍵盤も力が入ります。
⑥「休み時間をあげよう」ハナブサさん作曲によるPOP調の共作。力が入ったあとは心に休み時間を。サビで おおっと来るような転調が聴けたのがはなぶーさんらしい。この曲もっと聴き込みたいです。
⑦「イマココ」久しぶりに歌ったというバラード。2人でいられる今という時間に感謝を込めて。”世界で一番美しいあなたの隣にいるのは私 どんな悲しみも越えて行ける 幸せがここにある 今ここにありがとう” 輝かしいVo.と抒情的に奏でるPf.が凄い。スゴイです。
<野坂ひかりさん>昨年5月の栄ミナミ音楽祭で拝見して以来2度目のPf.弾き語りアーティスト。SNSではだいぶ前から繋がって頂いているため、今日の対バンライブで箱演奏を聴けるのが楽しみでした。「切実系シンガーソングライター」と銘打つ野坂さんは自分と向き合い胸の内を細かい描写で綴る、という曲群。「夢の羅針盤」「それが幸せ」「長い間(キロロカバー)」「初恋」「眠れない夜を越えて」。前回の栄ミナミで印象に残っている「それが幸せ」という名刺代わりの曲。”平凡な人生かもしれないけど自分にとっては特別の人生、救われるのではなく自分でしっかり生きよう、それが幸せ” と力を込めて歌う。鍵盤の打鍵も強くはっきりしていて気持ちの強さが音楽に現れています。開演前にお会いでき、終演後はタイミングが合わず。なにしろ音楽を奏でているときの笑顔が素敵で、今度また聴いてみたいです。
<向江陽子さん>トリの向江さんはPf.弾き語りで。遡ると2018/10/10のSEEDSHIP以来なので1年数か月ぶり。なんとそこまでブランクがあるとは申し訳ない。この人の音楽のクォリティは違う。昔からすごぃなぁと思っていたけど、今日は更に凄かった。
①Lips ②ラベンダー ③心のアルバム ④夕立 ⑤音風 ⑥ひらり恋揚羽 ⑦最後の雨(中西保志カバー) ⑧知らない夜明け En.ブルーライト
冒頭からキリッとして黒の上下。上はフェイクキャミと言うんでしょうか。衣装でも魅せます。とにかく気合いが漲ってるという印象。アダルトで攻撃的な曲から大人のオンナの魅力とカッコよさの「Lips」。「ラベンダー」という曲は初めて聴いたかもしれない悲し気で美しいバラード。 ”忘れされられてしまった思い出 別に愛してほしいわけじゃない そばにいたい訳じゃない 君の心に僕に寄生して蝕み続ける ラベンダーの幸せに包まれて 不幸になるのさ今日もまた 複雑に絡み合う記憶の中で間違いなくそこにある僕だけの幻” 「心のアルバム」過去を温め、見つめる。滑らかな鍵盤、軽快なメロディ。「夕立」はアグレッシブに。 ”雨がもし降ったらすぐに迎えに行くのに 今日はなんだか綺麗な夕日が顔を出してる” 「音風」と続けてお馴染みの持ち曲。この曲は名曲だと思います。 ”名前も知らないあなたに恋をしました~” と出だしに爽やか感のあるメロディとサビの盛り上がり。 ”あなたを抱きしめられるように あなたの風を必死で追うから 毎日毎日あなたのそばで 幸せを祈ってもいいですか?” 力が入るボーカルとこれもまた力強い・かつ正確な鍵盤。とにかくすごい鍵盤と歌唱。思わず身を乗り出して聴いておりました。「ひらり恋揚羽(あげは)」 ”ひらりひらり恋揚羽 この胸を離れて ひらりひらり恋揚羽 遠い君の空へ翔べ~” と風流な旋律と感情が籠った歌。カバー「最後の雨」は自分でもリアル世代だったので何となく口ずさんでしまう曲。バラードとして難しい曲だと思うのですが向江さんの歌いまわしは流石。細かいビブラートやトリルもこなします。最後はシリアス・に歌う「知らない夜明け」”暗い部屋に座って 開かないドアを見ていた ~ 混み上げてはこぼれ落ちる 届かぬ思いはどこへ 変われぬままここにはもういられない すぐにでも歩きださなきゃ それが第一歩だ 夜更けの光に震えてる~” こんな聞き書き。最後 ”ここで逃げるのはごめんだ” と強い意志。アンコールはアップテンポな「ブルーライト」で。”青い光に突き抜かれてゆく 高く昇れば昇るほどに 手に触れたそれは風のようにする抜けて行く” 言葉が続いてブレス(息継ぎ)が難しい曲ですが、ものすごい肺活量で歌いあげていました。向江さんの音楽は芸術作品のような完成度。トリをバシッと決め、目を見張るほど心を持ってかれたステージでした。(今日は雨は降らなかった)
今日の水道橋Words、それぞれの世界観があり独自性の高い音楽が聴けました。yayAさんの眩しいほど光輝いた曲はくじけそうなときに背中を押してくれそうな、人生のバックアップになるような音楽だったし、ハナブサさんいつも凄いです!素晴らしい演奏でしたステージを降りたとき自分に気づいたようで「このシチュエーションであうのは初めてですね ⇒ そっすね」と一言交わし。3/15JZ Bratツーマンのバンマスとして活躍が期待できます。yayAさんもJZ Bratで観客を魅了してくれるでしょう。あの会場であの歌と演奏は想像するだけでワクワクです。桃南さんも沖縄シャンソンという独特さ、野坂さんのエッセイ集のような曲、そして向江さんの上質な音楽もすごかった。向江さんは自分がインディーズライブの短い観戦歴でも特に黎明から存じ上げている大事な音楽家です。ステージを観るたびにいつも凄い人だなぁと思います。yayAさんも3月は大事なツーマン、向江さんは3/4にユニット女豹三姉妹ワンマンや4/8ソロのワンマンも控えており、目標に向かって邁進です。
<yayAさん主なスケジュール>
●2020/2/11(火祝)【コーラス参加】川崎CLUB CITTA’
ゆきこhr 広がれ「やっちょんなの輪」4ステージワンマンプロジェクトTHE FINAL
Op17:00 / St17:45
●2020/3/15(日) JZ Brat SOUND OF TOKYO
「Ryo Yoshinaga × yayA 2マンライブ 〜Halu〜」
Op 16:00 / St 17:30
Band Member Pf.Key. ハナブサユウキ/Gt. 森本隆寛/Ba. ハピネス徳永/Dr. 神林祥太
<向江陽子さん主なスケジュール>
●2020/3/4(水)恵比寿天窓.switch
女豹三姉妹ワンマンライブ『喋りすぎて笑いすぎて楽しすぎて腹筋割れちゃうんじゃないのおおぉぉ?vol.7』
Op19:00 / St19:30
●2020/4/8(水)恵比寿天窓.switch
「向江陽子バースデーワンマンライブ『Time flies』」
Op19:00 / St19:30
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