5/10(金)、四谷天窓.comfort 山本佳祐presents 手持ち無沙汰 vol.4。数々のアーティストのサポートで有名なピアニスト、山本佳祐さん主催のライブステージ、4回目の今日は神楽サティさん・今井里歩さん・西山小雨さん・飯田舞さんの4名です。
様々なライブのサポートでお見かけする山本さん、自分もあまりにお会いするので図々しくもすっかり顔を知られた存在になりました。予約したアーティストの直接のサポートでなくても物販席には常に自分の顔を見つけては顔を出してくれる…。人柄のいい方です。それでもこの手持ち無沙汰企画は出演アーティストには大変厳しい試練を課します。出演者には楽器を弾かせない…全部山本さんが鍵盤弾きます。毎日のようにどこかの場所でピアノを弾いているのに。パワーのある方です。
四谷天窓.comfortは自分は昨年の8月以来。半年以上ご無沙汰でした。夜景が見渡せる窓付きの箱、ステージに鎮座するグランドピアノ。今日の企画には絶好の場所です。
<神楽サティさん>(今日は全部山本さんPf.)
二人の入場。神楽さんは何回かステージを拝見したり物販席で話したりしているので音源も何枚か持っているし、曲もアダルトでジャジーな曲を展開します。今日のcomfortの景色がよく似合いますね!(もっとも今日来ることはバレバレでしたが…笑)。いつもは鍵盤弾き語りで歌うのを今日はマイク一本で(そういう企画ですので)。歌に専念する神楽さんも何ともお洒落なものです。
1)Into the world
2)シネマ
3)フラストレーション
4)あなたと私の関係
5)ハイウェイ
1)が始まる前でのMC。いつの間にかピアノの上にユンケルが。これから弾きっぱなしなので山本さん一気にエネルギーをチャージ!神楽さんから「今やることですかー」 とツッコミで笑いを取ります。曲に入れば様相は一変、和やかから密やかな神楽モードに。1) ”指先から来るシンパシー” といフレーズが印象深い大人な曲、2)は日常の景色を精密な描写。 ”うろこ雲は海を渡り 季節を染めるでしょう にわか雨が降って午後はほこりが風に舞う 巡り巡る日々の中で世界は続く” 3)は現代社会への批判。爆発寸前になりながらも 越えてゆけ と。4)は曲名はご本人からのリプで知りました。信じたくも信じきれないと申しましょうか。 疑心暗鬼な気持ちが垣間見えます。5)8ビートの低音の鍵盤をベースとした突き進む曲。地平線のその先に向かい旅に出る雰囲気。 途中のMCで山本さんの大変さに。山本さんご自身、「同時に3人いるんで。ミッキーみたいに」場内爆笑でしたが、あながち納得してしまうのが山本さんの存在感。
最初の2人はインターバルを挟まずに演者バトンタッチ。
<今井里歩さん>
今井さんは前回のライブは4月だったので令和になり初の出演となりました。それがピアノを弾かないライブになるとは。もっとも別の理由でタイムリーだったのですが…今井さんは加茂フミヨシさんや加茂さんバンドのサポートでは観たことはありますが、それ以外のサポートを拝見するのは初めてでしたので新鮮です。そろそろユンケルパワー効いてきたかな?
1)春を待つあなたを
2)アルイテユケル
3)空になりたい
4)Joyful,joyful 〜 Oh Happy Day (ゴスペルcover)
5)good day
山本さん、今井さんの曲相当アレンジしてきました。鍵盤も相当な集中力、今井さんは歌に専念している通り、物凄く歌に集中できていると感じます。1)春を待つあなたを 原曲ではギター主体、今井さんの弾き語りでも経験済みですが山本さんの鍵盤もさることながら、今井さんの凄みの効いたボーカル背筋がゾッとしました。 やはり後半のCメロ ”何で!何で!どうして!” という悲嘆の声が胸を強烈に打ちました。人生の中で様々な苦難を経験したことが聴いて取れます。これは山本さんが今井さんにリクエストしたセットだそうです。今井さんの新境地です。2)アルイテユケル 山本さんのアレンジ、前奏が流れるように入り、間奏では3連符がないのと、調1度の落とし方が新鮮。さすが!2番では色々な装飾音が入る。転調後のサビは息を合わせて きーみがてらしてーぼくがてーらしーてー きっとアルイテユケル 今井さんの歌もパワーがあって凄かった。名曲中の名曲がさらに伝説になりましたね!3)空になりたい は弾き語りでは滅多にやらない曲(ちょうどさっきヘッドホンで聴いてたのでめちゃタイムリー!)。音源でもバンドサウンドなのですが、山本さんの鍵盤は左手のビート、右手でバッキングとアグレッシブ。4)はゴスペルメドレー。ゴスペルを主体にボーカル講師をする今井さん。せっかくだからと得意のゴスペルボーカルを披露。普段ゴスペルを聴かない人に誰でも知ってる有名な曲をカバー。これは講師の本領発揮でした。Oh Happy Dayではお客さんも含めて大合唱。令和の幕開けらしいハッピーな曲でした。5)毎回最後に今井さんが持って来るこの曲、山本さんのピアノがメロディアス。さわやか感が増し違う曲のように感じました。
ここで休憩タイム(後半の2人は初見でした)。
<西山小雨さん>
普段はPf.Uk.(ウクレレ)弾き語りをするという西山さん。にこやかに登場。仙台から上京して5年を迎えるそうです。1)満員電車 ”満員電車はあったかい 今日も1日頑張った~お土産を下げて帰ろう” 2)つぶれてもあんぱん ”腐っても鯛 破れても恋 つぶれてもあんぱん” MCで「さんハイ、」「パン!」とみんなで唱和。3)星祭り ”新しい街で見上げた空はビルに挟まれた細長い空間。下ではみんな同じ暮らしをしてコンクリートの背丈の高さを競う 〜 この街に星が降り人に届く 星まつりの宴” 夜のとばりのようなロマンチックな曲。静から動へ動いたり抑揚もあります。4)新しい色 ”歌は呼吸のようなもの 1つのメロディがいくつもの意味を持つ” 5)こころ畑 16ビート(ギターの3フィンガーのような)ピアノが心地よい田園の風景を描いたような曲。全体を通して朗らかなMCは山本さんとのノリツッコミが絶えず、場内の笑いが続きます。山本さんと2人、息が合って仲が良いですね!
<飯田舞さん>
茅ヶ崎在住のSSWでキャリア長い経歴のPf.アーティスト。今更初見なのです…ゲーム音楽の挿入歌も手掛ける実力者。煌めく声が印象的でいい声してますね!普段は弾き語り中心だそうですが、今日は手持ち無沙汰企画でマイク1本。1)ふたりの空 2)会いたい 3)trick 4)夕立ち 5)キミの隣りで 新しい道を行く思いや恋ゆえの切ない系のバラードが主体のなか、trickではアップテンポにガンガン攻めるナンバー。 ”君にだけ~君にだけ~”とコールレスポンスもあったり。とにかく艶のある美声。聴いてて身体にスーッと入ってきて心地よかった。
En.<コラボ>
アンコールでは山本さんは今回出演した4人のアーティストを呼び、Pf.を弾きつつ、5人全員がVo.を取ります。曲はいつも手持ち無沙汰企画では歌っているという「めぐり逢い」 。4人が交代でパートを歌いながら、サビでは5人の綺麗なハーモニー。 ”1人ずつ 思い出す 笑い声とその笑顔 大切な宝物 〜 桜舞い 蝉しぐれ 木の葉散り 雪化粧 巡り巡って行く あなたと出逢えた この季節を” 。
4人のアーティストの皆さん、今日は普段使っている両手をどこに持っていったらいいかわからない状況だったかもしれませんが、歌に専念、素敵な曲を披露してくれてありがとうございます。こういうハンドマイクのシーンは演ずるほうも聴くほうも新鮮でよかったのではないでしょうか。comfortの席は満員でしたし、メモリアルなステージになったと思います。
終演後は物販席で山本さんも話しかけてくれました。この企画は単に他のアーティストの曲を自分のアレンジでやりたいのではなく、この「めぐり逢い」 のように音楽を通じて演者さん達と出逢えた感謝とリスペクトを込めて企画されたものだと思いました。演者さんだけではなく私自身を含めたお客さん・ライブハウスも、全員のめぐり逢いがあったことは一緒。自分も音楽を通じてめぐり逢い、繋がってくれたこと人に感謝を。このライブに心をこめてありがとう。
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