10/26(金)、水道橋Words「東京組曲 Vol.13」。スギモトカナさん・夢井みづきさん・金田一芙弥さん・結-musubi-さん・今井里歩さん。鍵盤を主体としたアーティスト5組の出演でした。
秋深し。ついこの間までは18:30開場、19:00開演のWordsでも後楽園周辺は結構明るかったのですが、もう日が暮れて暗い。季節の移ろいを感じます。昼間は晴れていたので暑かったのがもうかなり気温が下がっています。
<スギモトカナさん>Pf.弾き語り。ふわりとした高い地声とビブラートが特徴。朗読から曲に入ります。朗読”いろいろな障害はあるけれど、取り方次第。やり直せる。それは君次第だから”⇒①歌(曲名不明)”痛みを知って強くなる、心は簡単に折れない 忘れなくっていいんだ 痛み持って強くなる” ②「青」”前髪を切り過ぎたのを笑ってくれる君に会いたいな さよならは慣れてないよ ぼんやりしていたら 見失いそうだ。明日は君と何を話そうかな” ③「立派な大人」”小さい頃は目に見えるもの それだけが世界を作っていた 中学生になり友達ってなんだろう、思春期で色んなことを知り 喜びも悲しみも大人になるたび増えていく 嬉しい時は笑って 悲しい時は涙を 自分の中で変わらぬものを守っていこう” ④「秘密基地渋谷」”ここは秘密基地・渋谷。似たようなビル、似たような人ばかり。憧れだったこの町は綺麗な振りをして汚さも持つ この街は世界の中心 うまく隠している 大事なものには誰も気づかない” 朗読”天真爛漫な君は僕とは正反対。夜中に電話をかけてきて声が聴きたかっただけとか 予定を急に作ってくれたり。ある日君はいなくなった”⇒⑤「花」”上手に生きようとして息が詰まる 誰かにとっての特別になれなくても ありふれた花になればいい 言えない気持ちは歌にして吐き出すから頷くより笑ってほしい どうでもいい下らないことでも心に置いて生きていこう” ⑥「instant My life」”君が太陽なら僕は花びら 雨が降れば 静かに散るだけ この手を見ててよ 僕より大きな手を君は知っているんでしょう この声を聴かせて その手で包む背中は僕のじゃない 僕じゃない” 思春期の若者の日常の気持ちを切り取り、心の一点の染みを淡々と歌う姿は儚げであり、それを元気づける言葉を使ったり。来年度社会人になるということで、大学卒業のため来月半ばでいったん音楽活動を休止するそうです。活動継続するかも含めて、自分の人生に悔いが残らないようにしていただければと思います。活動休止寸前のこのタイミングでの出会い。この出会いの奇跡に感じるものがあり、ご挨拶しました。またどこかのライブでお会いできれば。
<夢井みづきさん>Pf.YAMAHA CP4は立ち弾きスタイルに設置。ストライプの上衣にヘッドセットをつけての弾き語り。セットリストはご本人のTwitterから。豪快なオケ音楽からの入場。左手から繰り出すこれまた豪快な低音弾きから歌も豪快。ぜんぶ豪快。Jazz+R&Bと申しましょうか。とにかくすごい。顔をブン殴られたようだ。
①「輝かない」 ②「ミッドナイト・ショート・トリップ」 ③「嗜好品」 ④「遠吠え」
⑤「ハイホーハイホー」 ⑥「俎上の鯉」。”輝かない子はいらない子 一番星には届かなかった ひたすら叫んであーもう窮屈だ” ”無駄な時間 無駄な僕ら 無駄な人生” ”さあ満月だ このまま笑えよ好きなように ワウー! ワウー!” ”働けど働けど どうにもならない日常 ハイホーハイホー働け働け!”そんな迫力満点の歌。 MCではリハ中に他の演者の歌を聴いていてそのボタニカルな、オーガニックな音楽に癒されたと。クレイジーケンバンドの横山剣さんのようないで立ちで場違い感を語っておりましたが。色んな音楽があるのでそんなことはないです。最後「俎上の鯉」”気持ち的には処刑台 かっさばいてくれ早く このまま死ねたら 煮るなり焼くなり捌くなり。それが本望だ!” パワー満点の熱唱に圧倒されました。
<金田一芙弥さん>芙弥さんは8/11GRAPES以来。あの時の鍵盤サポートは田村麻実さんでした。今回のサポートはご存知 山本圭祐さん。山本さんとは5/30川口キャバリーノ以来ということで久しぶりでした。
①千鶴
②Still
③東京
④かさぶた
⑤シュガービート
芙弥さんのステージは朗読を交えながらの歌。”折り鶴を折ると祈りが届くと言われています”⇒①「千鶴」”手を伸ばして走って叫んでみても 君に届きはしない 立ち止まって見上げた君の横顔 無邪気に笑っていたよ”和風な美しいメロディのバラード。”会いたい人がいます。その人に会うことはできないですがそんなことを考えている私は大好きです”⇒②Still "あなたが昔、あたしにくれた言葉 忘れたい 忘れられるはずない 春の夜は遠く光る星明りだけじゃ 道を闇に包むから君のように優しく照らす月がいる きっと~あなたを照らす月は私だけでいい” ひとり夜中でのあの人への思いを綴った曲。"この東京ではなく違う場所に来ていたらきっと君に出会うことはなかった。生きてく度に傷つき、時がくればこの痛みも忘れるのだろうか”⇒③「東京」”汚い 怖い 弱い だけど僕は歌う 東京で僕は歌う 騙されても 躓いても 理不尽でも諦めない 僕はまだ長い夢の途中だ” 良くも悪くも何でも呑み込む東京の混沌を歌う。山本さんの中盤のソロ演奏が冴えわたる。④「かさぶた」”転んで擦りむいて血が出て 時が流れてかさぶたになれば痛みも忘れるのだろうか。僕の痛みも君の痛みも。いつかなれるよ 今日は上手に生きられなかったけど 明日はもっとこの痛みを忘れられるといいな 痛みを強さに変えよう”。
MCでは今日の山本さんのシャツ(赤黒の菱形タータンチェックのアーガイル風)は芙弥さんからの誕生日プレゼント(9月)。とても似合っておりセンスがあります。山本さんは自分では絶対選べないと語っておりました。やはり女性に選んでもらうのは正解。芙弥さんご自身の好きなものはワカメ具のお味噌汁・ミッキー・新選組・ビール。誕生日にはこれ系のものが喜ばれそう。
最後⑤「シュガービート」は明るいアップテンポの曲。”目覚まし時計が鳴る前の午前2時、あと鳴るまでは2時間鏡の前 ねぼけ眼で起きてお化粧 あなただけのため” 甘い乙女心が駆け巡る恋の歌。
<結-musubi-さん>Pf.弾き語り。和風でおしとやかな佇まい。静かな美しい声です。
①「朝の駅」”電車の汽笛が鳴り響く あれは何かの終わりの声 美しい都会は眉唾なんだろう そんな思いを抱えながら生きるあの一瞬を 時間の流れを思い行き交う朝の駅” ②「ゆりかご」”覚えてないけどママのお腹の中ってゆりかごみたいなのかな 愛がある 安心できる 心が身体が軽くなる あのね ゆりかごみたいな愛” ③「ルンラン」”正論だけでも生きていけるけど楽しみは減る ゆるく遊ぶみたいに世界を見てみよう 楽しんでみようルンラン いくつになってもスキップは軽やかでしょう” アップテンポでもおしとやかな曲。 ④「ハート」”私はあなたの心臓になりたい 何を思っていてもリズムは変速する 沸点も融点もわからない あなたのリズムに呼吸を合わせる 呼吸を重ねる” 強い気持ちが言葉に宿る ⑤「ブランコ」”どんなに遅く眠っても目覚める時間は同じ 眠たく思い身体を起こし 流し込む食事 カバンの中の文庫本を読む時間もなく 一本の電車を待つホーム 静寂と重力 キーボードを打ちながら 太陽と月が入れ替わるのも気づかないまま時間が過ぎてゆく 夜の公園 貸し切りブランコ キラ星のシャワー” 優しい曲調で心が落ち着く声が印象でした。ご本人の 翌日のブログを拝見しました。 ”命について考えてた。だから、自分なりに、命を感じる曲でまとめて構成したライブにしたよ。” 確かに命とか人生をテーマにした曲が並んでおりました。その理由も察するものがあります。
<今井里歩さん>今井さんのステージは渋谷七面鳥は行かれなかったので 10/5のMIiya Cafe以来3週間ぶり。自身としては40回目のステージ観戦です。(※2017/7/30 目黒のゴスペルステージを除けば39回目)
①lost fish
②例えばそれが
③shine again
④I'll meet you
⑤good day
①「lost fish」(オケ+センターマイク)”あの時こうすれば 道を選べたら今とは違っていたかもしれない~広く深い海へ繰り出したの もっと強く強くなりたい” 都会の喧騒の中、明日へもがき苦しむ自分。もっともっと明日への望みを持ちたい願望が満ち溢れてます。②「例えばそれが」(弾き語り)”人は皆 帰らぬ日を見つめてる 喜びも悲しみも全部 はじまりはいつでも微笑んでる 大丈夫今を生きて”←ココの歌詞が好きです。”ノニサクハナには言えないけど答えを聞かせてほしい~”の部分が力強い。元気づけられる歌。③「shine again」(オケ+弾き語り)”負けないよ 負けないで この涙 この痛み新しい明日を連れてくるから 決められた枠にカテゴライズされ 勝手な賞味期限を背負わされてだけど本当は気づいていたの 他でもない私が閉じ込めていたんだね” 何か身につまされる思いになりますが、自分の限界は自分で決めてしまっている、それでいいのか、もういっちょ行かんか、と思い直させるような曲。昨年7月での初披露ワンマンを思い出します。バンドメンバーなどいろいろな人の協力でできた曲。ひとりじゃなくてみんながバックアップしている、そんな気になります。④「I'll meet you」(弾き語り)”I'll meet you この場所で何度でも出会い直したい 信じてみたい 素晴らしい世界を 形あるものいつかは消えて行くけど~I'll find you この広すぎる世界でも 分かち合えること 捨てたくない例え恨まれても 移り行くものいつか忘れられても信じていたい” 出会いの奇跡をメッセージに、どんな苦難があっても乗り越えて行ける、そんな自分に言い聞かせるような歌詞、シンコペが主体の曲。⑤「good day」”それは特別な記念日じゃなくていい あなたが名付けたのならそれはきっと正しい あなたが少しだけ自分を好きになれたそんな日”何気ない1日でもそれが自分にとって特別の日になるように、ならなくてもそれでいいじゃないかと、今日1日少しでもいいことがあればそれはgood day。と今井さんが諭してくれる。優しい歌声は今日1日を締めくくります。
⑥Enc.ありがとう
”あなたと出逢えた 今日という奇跡 ありがとう” 今日のライブの出演者さん、今日ライブに来たお客さん、みんなそれぞれの都合を抱え、苦難を超えてここに来た、そんな奇跡にありがとうと。噛みしめなければなりません、このキセキを。
終演後は前述のとおりスギモトさんのほか、芙弥さんにもご挨拶、山本さんとも少し音楽について話させて頂きました。そして夢井さんにもステージ凄かった旨。なんか必死にメモ取っている人がいると気づかれていました笑。今井さんには今日のライブでキセキの出会いがあったようです。こんな出会いは「I'll meet you」を彷彿させるような出来事なんでしょう。まさに出会い=奇跡です。
今日は鍵盤を主体としたアーティスト、それぞれ持ち味が異なる中、いろいろな音楽との出会いがありました。その1回1回を大事にしたいと思います。そのために記録を残します。記憶というより記録みたいになってしまってますが笑。あとで読み返して改めて思い出すこともあるでしょう。出る側も、聴く側もライブ1回1回、大事な時間を過ごしたいものです。 (※うわ メモが膨大。。。)
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