4/19(火)、東新宿真昼の月 夜の太陽「春の夜を仰ぐ」。中淳郎さん・柘植向日子さん・佐々木結羽さん・LILY FLY PEY・今井里歩さん。
新年度、異動はありませんでしたが、職場の面々が変わり慌ただしく、非日常の連続です。陽気は一進一退、晴れて暑ければ冷たい雨が降る。地震もあったりして非日常の事態。それでは楽しみとしての非日常、ひと時ぐらいは歩みたいものです。
昼間は晴れて暖かでしたが、夜は北風の強い雨、その中を新宿三丁目から東新宿へ風を真っ向に受け真昼へ。時間が押して途中からの観覧でした。受付を済ませると、2番手の柘植向日子さんが鍵盤を弾いています。オシャレな曲ですね。
3番手は佐々木結羽さん。鍵盤弾き語り。実直な声、粒のそろった言葉。しっかりしたピアノを弾いて真っすぐな感じの曲です。
4番手はLILY FLY PEYの男女2人組。女性はVo.Pf. 男性はVo.Per.。ステージには見慣れない台形の打楽器が(ついこういうのに興味が行ってしまう)。調べたら「ムーブボックス ザ・ウォークカホン」というもので腰のベルトに付けて叩く、立ち弾きのカホンです。横にはSchlagwerk(シュラグベルク)というドイツの打楽器メーカー名。カスタネットやカバサ(シェイカーみたいなもの)が付けてあるなどカスタマイズされています。それを叩きながら歌ったり、Pf.の女性が歌うのにリズムをつけたりしてカッコいい演奏をしてくれました。女性はガーリーな声質のボーカル。なかなか興味のある2人組でした。
5番手のトリは今井里歩さん。鍵盤弾き語りで歌います。今井さんもセワしく過ごしている新年度、ライブのTwitter告知は昨日でした。しかしパフォーマンスは超素晴らしかった。
1)そこで、咲いてた
2)キンセンカ
3)tint
4)good day
5)I.R.U-アル-
ミュージシャンは誰でも”鬼”を持っていると思います。鬼とは"鬼気迫る"の”鬼気”のことです。出番前は緊張もあったかもしれませんが、いざ出番を迎え、鍵盤とマイクを前にすると、空から鬼が降ってきて乗り移ります。ここで演奏者は豹変するのです。今日の今井さんにそれを感じました。いや、いつも出番では同じ気持ちで演奏していると思いますが、今日は自分には一段とそれを感じました。客席・配信もあるため視線をそれぞれ向けながら歌っていましたが 歌も鍵盤も力が漲(みなぎ)り、訴えかけるパワーも違いました。あとは集中力と爆発力の世界。自分のすべてを歌に、指に伝える。PAを通し、配信を通して聴取者に訴える。旋律・歌詞。全曲ものすごい手応えを感じました。それはいつもは違うと言っているのではありませんが、音の反響や空気の振動、息遣い、色んなリアルがそう思わせたのかもしれません。それだけの緊張感が各曲にあり、引き寄せられている心地よさを感じました。鬼の魔力といったものでしょうか。当然1)~4)まで歌ってきた曲も物凄い良いのですが、とりわけ5)I.R.U-アル-はとても良かった。真一文字に視線を定めて歌う歌・聴く歌。
-ある そこにある 道はなくとも 道になる
見つけたんじゃなく この真ん中に はじめの一歩から ずっと在る- ~中略~
-あなたが在って わたしが在る-
”ある”じゃなくて”在る”、”ある”じゃなくて”アル” わたしの存在、あなたの存在、モノじゃなくてそこに意味がある、繋がりがある。互いの存在価値、どちらも欠損したらいけないもの。対になる音源に「I.L.U-イル-」があり、これも別の意味でいい曲ですが、自分は-アル-の価値は今井さんの持ち曲「アルイテユケル」に通じていると思います。「アルイテユケル」も互いの存在価値を見出した神々しい歌だと思います。
なんか面倒くさい文体になってしまいましたが、今日は-アル-に惚れました!カバーやサポートも素晴らしいながら、オリジナル曲は自分のすべてを結集しているんですよね。自分の中で-アル-という曲に改めて大きな意味を感じた今日でした。
「音楽に意味はないかもしれない。でも想いを歌う事は無意味ではないと信じます」以前今井さんが残したツイートです。
帰りは明治通りを北上して高田馬場駅へ。北風ビュンビュン、雨の中。それでも心の中は晴れた。いい夜を過ごさせて貰えました。
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