8/10(火)、東新宿真昼の月 夜の太陽「ぴんく企画『夢よりここで』。」。照沼サラさん・今井里歩さん・山田祥子さん。ブッキングのぴんくさん企画によるスリーマンライブでした。
強烈な日差しが昼の都会を襲い、夕方になっても余熱だらけでマスクも必要だし、熱中症になりそうな夕方。時短対応もあり陽が傾かないうちの開演時間。会社を出て北へ歩いて15分の真昼の月 夜の太陽へ。たった今までリモート会議終了で一息ついた仕事モードを一気に音楽モードに切り替える!そこには素敵な世界が待っているのだ。
ぴんくさんとは直接の面識はありませんが、5年前からライブハウスに通うようになり、四谷天窓のPAやスタッフ、ブッキングとライブを支える重要な人物として貴重な存在としては認識しておりました。天窓無き後も、数々のライブハウスやアーティストをバックアップしている姿は健在です。ライブ告知POPがいつもピンク色のお洒落な画像なのが印象深い。
6月のアートリオンで今井さんはぴんくさんとは初顔ということで、その関係からか今回は真昼の企画ライブでの出演です。感染状況が芳しくないので無観客も覚悟していましたが、何とかリアル開催してもらえました。運営側も観客側も相当努力しなければ成り立たない。
トップは照沼サラさん(初見)。ブリーチの髪に赤を縦に入れたヘアカラー。ややアクティブな衣装でステージ中央にスタンドマイクで歌う。Gt.サポート池田拓真さんは色々なステージでお見掛けします。照沼サラさん、どんな音楽なのでしょう。。ルックスからアクティブな音楽かと思っていましたが、まったく異なりじっくり聴かせる曲。箱の雰囲気に合わせたセットなのかもしれませんが、アコギに合わせ夜へ いざなうような曲やJazzyでお酒が似合う曲(今日は酒類提供なしだけど、その雰囲気で)、「いっそ」という曲は ”となりであなたの首を絞めて” ”眠るあなたに刃(やいば)を立てて” という歌詞が入るなど切れ味がある歌詞が心を切りつけました。「うそつき」というバラードでも押し込めた感情を音楽で吐き出すように。 ”足許の排水溝に流し込む” えぐってます。最後「エンドロール」という冬の気分のバラード。外の酷暑を連れ去ってしまうような。。
2番手は今井里歩さん。7/31横浜2回、8/8大阪2回・計4公演の石垣優さん(ex.やなわらばー)ソロライブCho.サポートステージを終えて一息もつかずに自分のライブが今日。そんなハードスケジュールの疲れも感じさせずに力一杯のステージを届けてくれました。
1)Shine again
2)春を待つあなたを
3)アルイテユケル
4)tint
5)good day
「Shine again」。冒頭からオケの音がステージを包み、今井さんはそれに乗せて ”負けないよ 負けないで~” と歌い鍵盤を叩く。初っ端はアップな曲から入ります。オケが入るのは久しぶりかと思います。音源に近い感覚を狙ったのでしょうか。2曲目~4曲目は弾き語り。
「春を待つあなたを」は息を潜め、じっくり聴かせます。人生の中で突然やってきた、別離をストレートに、感情あらわに歌う。今井さんの曲の中では魂の込め方が2段も3段も上がり、心をコブシで殴られたような衝撃を受けます。悲嘆とその余韻、静寂。
「アルイテユケル」このブログでは何度も紹介する『照らし照らされ』をテーマとする屈指のバラード。3つの調を駆使しているにもかかわらず、ここまでの完成度のある曲を作り上げるというのはすごいとしかいいようがありません。何度聴いてももすごいし、眼の前でリアルな場面で歌が聴ける、この空気感、反響、息づかい。リモートだとリアルでは絶対見られないアングルの映像だったりというメリットもありますが、リアルならではの良さを改めて感じます。照明も ”光を待ちながら~” の部分で光を当ててくれたりと大事な演出。
「tint」ここ最近作られ、直近にライブや配信でも歌ってくれる曲。何度か聴いてメモとっているうちにやっと歌詞がわかってきましたよ!もっとも深い意味はまだ掴めないけど。今井さんではあまり聴かれない攻める曲。Aメロは16ビート、Bメロからは3連符に変化、強いメロディーがガーン・ガーンと打ち付けます。内容的には コロナ禍と思われる未来の見通しの悪い中、音楽の永遠さを凝縮させて人生にぶつけたい、こんな感じでしょうか。 ”46億年前の 旋律をまだ歌わせていてよ 45分間の夢を永遠に見せ続けてくれよ 二人だけで泳いでいたい いたい いたい いたいよ” 歌詞も考えて作られ、曲もリズムや調がどんどん変わる。音程の高低も頻繁でそうとう難しい曲ですが、大好きな曲です。(結構頭の中を駆け回ってます)。
「good day」今井さん最後はお馴染みのgood dayで。今日はオケをバックに音源に近い音で披露。今のご時世、刺さるような曲もあるけど原点はここなんだよ。と心が和むこの曲。最後は『癒し癒され』。優しい気持ちでまとめたいですよね。
トリは山田祥子さん。何度かステージを拝見しているので、記録を調べたら2018年8月の四谷天窓.comfortのステージ、その前は2018年4月の下北沢SEEDSHIPと、今から3年近く前になるのか! (参照:https://ameblo.jp/ishidukuri/entry-12402007973.html) あの時の澄んだ歌声と心に直接伝わるような曲は記憶に深く刻まれ、忘れてはならないアーティストとなりました。仙台出身でNHKのど自慢では宮城県でチャンピオンになった経歴、それに裏打ちされた歌唱力があります。天窓で買った「Lightning」という曲が印象的。あの頃は弾き語りで歌っていましたが、ちょっとブランクが空いてしまいました。今はボーカルに専念しているようです。サポートはPf.オルさん。昨年他のアーティストのサポート出演を拝見して以来です。
ステージの真ん中に立つ山田さん、左側にPf.オルさん。最初の曲は「夏の匂い、蛍火の君」という壮大なバラードの曲。
”この空を照らす 月の光よりも輝いていた あの頃の君の真っ直ぐな笑顔忘れないよ 今 ただ ただ君に会いたいんだ”
天を仰ぐような声とサビのファルセットが狙った音程通りに到達する心地よさ。 ”夏の花火じゃない 蛍火のように儚い君” 季節感ぴったりの夏の夜の曲でした。
アップテンポの「Sunny Day」という曲や、新曲「PINK SPICE」はR&B風のアダルトな感じ。幅広い音楽性で聴き手を唸らせます。
そして9/4に”あいち国際女性映画祭”から公開される映画『明けない夜とリバーサイド』の主題歌となる「明けない夜と月明かり」というバラード。「your my dream」は希望に満ちた曲。素晴らしい歌唱力でした。アルバム「LOVE and MUSIC」は今日歌われた曲もあったり、「Lightning」もリメイクされ更に壮大さが増す曲にグレードアップして聴きごたえがありました。
アンコールは「Ships.」あの海賊アニメのイメージを彷彿させる、大海原に飛び出す船出の曲(そのままあのアニメに使ってほしい)。とてもハイレベルなステージでした。
今日の3組、ボーカルに実力があり、じっくり聴かせてくれる皆さんでした。リアルでもリモートでもこの歌唱力が堪能できたと思います。ぴんくさんの企画、今後もハイレベルなライブが期待できそうです。コロナ禍で陰鬱とした日々の中、夏の夜に燦然と輝くようなライブでした。歌ってくれてありがとう。素晴らしい時間。
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